Chatworkが社名変更した理由とBPaaSという選択肢

Chatworkが社名変更した理由とBPaaSという選択肢

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、Chatworkが社名変更した理由とBPaaSという選択肢です。

#763 Chatworkが社名変更した理由とBPaaSという選択肢 | タカハシノリアキ「『働く』の価値を上げるスキルアップラジオ」/ Voicy - 音声プラットフォーム
音声放送チャンネル「タカハシノリアキ」の「#763 Chatworkが社名変更した理由とBPaaSという選択肢(2024年7月9日放送)」。Voicy - 音声プラットフォーム

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

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Chatworkの社名変更の経緯とBPaaSの紹介

今月7月1日に国産チャットサービスとして有名なChatworkが社名変更をしまして、kubellという名前に変わった、そういったニュースがありました。

僕も昔から大好きなサービスだったのですが、そのChatworkがkubellに社名変更した経緯と、それからその社名変更の理由に大きく関わるBPaaSと呼ばれるサービスについて紹介をしていきたいと思います。

新社名「kubell」に込めた思いと事業強化

kubellという新しい社名なのですが、これは日本語の「薪をくべる」というところから取られているとされています。

また、別の意味もありまして、kubellのkは「work」のk、uは「you」あなたです、それから最後のbell、これは「be well」ということで、元気で良くなる、これを組み合わせてkubell、という意味もあるそうです。

つまり、全体としては「働くみなさんが元気で良くなるように」、そういった思いをこの社名に込められていると伝えられています。

国産チャットサービスとしてSaaS市場を牽引してきたChatworkなのですが、なぜ今回社名変更したのでしょうか。

そもそもビジネスチャットChatworkは、2011年リリースされてから13年間たっているそうなのですが、登録ID数は660万、導入社数は43万社を超えるということで、海外サービスのTeamsとかSlackとか、そういったものがどんどん押し寄せてきている中で、大成功と言ってもいいような成果を上げているんじゃないかなと思います。

何せ660万ということは、日本の労働人口6000万としても10人に1人は使っている、そういった計算になるわけです。

それで、そのChatworkが社名を変更した理由として挙げているのが、「Chatwork=ビジネスチャットというイメージが強すぎるから」ということを挙げていらっしゃいました。

というのも、2026年までの中期経営計画の中では、中小企業向けのBPaaS、この事業を強化する、そして「中小企業ナンバーワンBPaaSカンパニーを目指す」、このように伝えられているのです。

このBPaaSの事業を柱としていく時に、そこをきちんとアピールできるようにということで社名を変更したというのが今回の理由になります。

BPaaS(ビーパース)とは

では、そのBPaaSとはなんでしょうか。

BPaaSとは、Business Process as a Service、これの略称になります。

これは、企業が特定の業務プロセスを外部企業にアウトソーシングできる、そういったクラウドサービスのことをさします。

これまで多くの企業が活用してきたBPO(Business Process Outsourcing)、つまり「特定の業務を外部企業にアウトソーシングするサービス」と、SaaS(Software as a Service)、クラウドを通じてソフトウェアを提供するサービス」、この2つを掛け合わせたようなビジネスモデルと言われています。

今、日本においてはまだ認知度はさほど高くないと言われていますが、伸びしろのある領域として世界的に注目されています。

BPOとの違い

では、これまでのBPOと何が違うのでしょうか。

人力で解決するBPO

BPOも同様に特定の業務プロセスを外部企業にアウトソーシングするわけですが、その手段については特に注目されておらず、どちらかというとプロセス全体を人力でなんとかする、そういったイメージがありました。

よくBPOとしてアウトソーシングする業務プロセスとしては、カスタマーサポートなどが挙げられていますね。

業務プロセスの改善と運用を請け負うBPaaS

では、BPaaSは何が違うのかというと、BPOのように業務をアウトソーシングするのですが、その際に、SaaSをふんだんに業務プロセスの中に組み込んで、「業務プロセスを改善した状態でそのプロセスの業務運用を請け負う」と、このようなイメージです。

プロセス全体がSaaSを使うことによって最適化されていますので、人的コストがそこまでかからず、BPOに比べてBPaaSの方が低価格で提供できるというところが挙げられます。

したがって、これまでBPOだと中小企業にはなかなか手が届かない、コストがかかる状態だったわけなのですが、BPaaSであれば低コストなので依頼ができる可能性が上がると、そして、日本で言うと99.7パーセントの会社が中小企業ですので、そこにビジネスチャンスがあると、そういった話なわけです。

顧客のニーズをひろうkubellの戦略

その点、Chatworkのユーザーも中小企業が中心でした。

そして、中小企業のマーケットと向き合った結果、中小企業のみなさんは現場仕事でとても忙しく、ITに詳しい社員も少ないため、いかにSaaSが安くて高品質であったとしてもSaaSを使いこなすことができなかった、そういったことがみえてきた、ということなんですね。

そこでChatworkからBPaaS事業へと範囲を広げることによってそのニーズをひろっていこうというのが、今回のChatwork改めkubellの戦略となります。

しかも、43万社がChatworkを導入していますので、それ自体が営業リストになりますし、実際にBPaaSを導入する時にも、既にChatworkというコミュニケーションのツールが整っているのでスムーズに提供ができる、そういった有利なポジションにあるということも言えると思います。

BPaaSのデメリット

さてBPaaS、中小企業にとってはチャンスのように見える部分もあるわけですが、一方でデメリットもあるので、そこもきちんと理解しておく必要があります。

セキュリティリスク

1つはセキュリティリスクです。

企業が重要なデータとか機密情報、これをBPaaS事業者に渡す必要が出てきます。

また、BPaaS事業者がどのSaaSを使うのか、そしてそれらを使ってどのような業務プロセスを構築するのか、セキュリティリスクに目を光らせるのであれば、何も知らないというわけにはいかないわけです。

しかし、ちゃんとそこを知ろうとすればするほど、自社の中でそれをきちんと判断するためのITの知識が必要になってきてしまう、そういったジレンマがあるわけです。

ロックイン状態

そして、もう1つのデメリットなのですが、ロックインと呼ばれる状態です。

これは、特定の業務プロセスがBPaaSにアウトソーシングすることで、その提供企業に依存してしまう状態になる、ということなんです。

そして、一度アウトソーシングが開始して走り始めると、そのBPaaS事業者や使っているツール、業務プロセス、それらのスイッチや変更が難しくなる可能性があるということなのです。

善意のあるBPaaS事業者であれば良いのですが、自社の利益を優先するあまり、クライアントにとっては望ましくない状態になってしまっている、こういったケースが一切ないとは言い切れないわけです。

かと言って、その点をきちっと監視や把握をして、そして意思決定をしたい、そういったことになると、自社でITの知識が必要になりますし、BPaaSのよさがスポイルされてしまう、そういったジレンマがここにもあるわけです。

BPaaSとどうやって向き合っていくか

IT苦手を理由にBPaaSにゆだねていいのか

僕個人の意見なのですが、ITに詳しい社員がいないからという理由でBPaaSに依頼する、この選択肢を優先すべきではないんじゃないかなと思っています。

というのも、IT、そして今流行っているAI、これに関して言うと、DXの本丸と言ってもいい部分なのです。

「自分の会社がより良い価値を提供するためには」、「顧客の課題を解決するためには」、そういったことを考えた時に、デジタルやAIが担える範囲というのが急拡大しているわけです。

その発想の種はやはり自ら触って経験をすることなので、その部分を外部にわたしてしまうというのは非常にもったいないことなんじゃないか、そのように僕は思います。

一方で、「IT、デジタル、AI、全てうちは得意としています。結果的にBPaaSの方がいいと思ったので、そういう選択肢をあえて取ります。」というのであれば僕はいいかなと思っています。

中小企業のDX、日本のビジネスシーンを盛り上げる上でもとても重要だなって僕も思うのですが、ITが苦手だから他の人にそこは任せよう、そういったスタンスでDXができるとはどうしても思えないんですよね。

このあたり、皆さんの意見を聞かせていただければと思います。コメントお待ちしておりますので、じゃんじゃんお送りいただければと思います。

越境学習のススメ

さて、ではどうするんだという話なのですが、僕はそのITが苦手とか忙しくてできないとか、そういった思い込みを外すことからスタートするのがいいんじゃないかなと思っています。

その点おすすめなのが、いつもとは違う環境に越境して、価値観や思い込みを揺さぶることができる越境学習なんです。

そして、コミュニティ・ノンプロ研を越境先とした越境学習支援プロジェクト「ノンプロ越境学習」を提供しております。

DXの第1歩としてとてもおすすめの取り組みとなっていますので、ぜひご覧いただければと思います。ノンプロ研越境学習の紹介ページリンク貼っておきますのでご覧ください。

コミュニティ「ノンプロ研」に越境してDXを実現する「ノンプロ越境学習」
一般社団法人ノンプログラマー協会が提供する「コミュニティ『ノンプロ研』を活用した越境学習支援プロジェクト」の紹介ページです。越境学習とプロジェクトの概要、その期待できる成果、および申し込み手順などについてはこちらのページでご覧ください。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「Chatworkが社名変更した理由とBPaaSという選択肢」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

チャンネルのフォロー、コメント、SNSでのシェアなどなど、楽しみにお待ちしております。

では、また。

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