みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
このブログもそうですし、書籍やコミュニティ活動などを通して、ノンプログラマーがプログラミングを学ぶことを支援し続けています。
また、2020年から小学校でのプログラミング学習が必修化されたこともあり、プログラミング学習の注目度も上がっていますよね。
プログラミング、そりゃスキルはあったほうがいいに決まっているのですが、一方でコチラの記事でお伝えしている通り、プログラミング技術をものにするためには、数百時間の学習時間が必要と言われています。
そこまでして、なぜ、プログラミングを学ぶのでしょうか?
今回は、その問いに答えるべく、これまでの歴史でもたらされたコンピュータ、インターネット、AIなどといった技術革新とそれによる労働の変化という切り口で考えていきたいと思います。
※この記事はコミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」定例会Vol.6「なぜ、プログラミングを学ぶのか」の内容の一部を加筆修正して記事にしたものです。セミナーからの抜粋動画もありますので、合わせてご参考くださいね。当日の様子は以下のツイートまとめもご覧くださいませ。
Google先生が教えてくれる「理由」
Google先生に「プログラミング 学ぶ 理由」などで尋ねると、以下のように回答をいただけます。
- 業務効率化して、労働時間を減らせるから
- AI時代に職を失わなくて済むから
- IT人材が不足して市場価値が上がるから
- ロジカルシンキング、問題解決能力などが身につくから
- 自分でサービスを作れるから
- 楽しいから
おそらく、このブログをご覧いただいている皆さんも、コミュニティに参加いただいている皆さんも、上記のいずれか、または複数の組み合わせであることが多いのではないかと思います。
ただ、それだけだとこの記事もこれで終わっちゃいますので、もう少し「働く」とか「労働」とかという観点で、深く見ていきたいと思います。
現在では7割の労働者が「知識労働者」
歴史をみると、今から70年ほど前は労働者といえば、「農林・漁業」「生産・運輸」などの「肉体労働者」だったんですね。
ところが、現在に近づいていくに従って、みるみる「販売・サービス」「事務・技術・管理」といった、つまり「知識労働者=ホワイトカラー」が増加していきます。
その推移を表したのが、以下のグラフですね。
引用:知識労働の5つの「常識」
直近では、7割が知識労働者です。
おそらく、この記事をご覧になっているあなたも、知識労働者の一人でしょう。
「知識労働者」とは
ところで、「知識労働者」とは何なんでしょう?
知識労働者とは、かの有名な経営学者ピーター・ドラッカーの造語で、以下のように定義されています。
自らの知識によって企業や社会に貢献する労働者のこと
1950年代に出版された「変貌する産業社会」という著書の中で、既にこの単語が使われているそうです。
これまでの大量生産・大量消費時代では、労働力自体が生産活動の原動力でした。つまり、労働人口や労働時間を増やしつづけることで、その競争力を高めることができていたわけです。
しかし、その競争の原動力が、労働者が持つ「知識」にとって変わってきたという事実があります。
その知識労働による競争を勝ち抜いて、そのビジネスの規模を急拡大させてきた企業の象徴と言えるのが「GAFA」つまり、Google、Apple、Facebook、AmazonといったIT企業と言えるでしょう。
知識労働をブーストするコンピュータの誕生
その知識労働を大きくブーストさせる役割を果たすのが「コンピュータ」ということになります。
1975年のこと、世界で初期に生まれた「パーソナルコンピュータ」に、すかさずプログラミング言語BASICのインタプリタを売り込んだのが、Microsoftの創業メンバーである、ビル・ゲイツとポール・アレンでした。
その後、MicrosoftはMS-DOS、Word、Excel、そしてWindowsといったソフトウェアをあらゆるPCに搭載していきます。
そのおかげで、オフィスに一人一台のPCが置かれ、すべての人がその知識労働をブーストすべく、PCを活用できるようになりました。
ただ、その知識労働のブーストの恩恵に最もあずかっていたのは、ビル・ゲイツとポール・アレンだったとも言えますよね。
知識を用いて社会に貢献することで、億万長者になりましたからね。
インターネットがもたらした全世界的な知識獲得競争
続いて1990年頃、知識労働をさらにブーストする重要な技術が急激に広がり始めます。
インターネットです。
そして、1998年に検索エンジンGoogleが誕生します。
インターネットが世界中に張り巡らされることで、知識労働者は
- 世界中にソフトウェアやコンテンツをすぐさま配布できるようになった
という恩恵に預かります。
これで、すばやく知識を手に入れ、価値に変換できた人たちは、急激にビジネスを広げることができるようになります。
一方で、以下のような重要な変化も起きます。
- 世界中の公開されている情報をすぐ手に入れることができるようになった
これは、知識労働者にとっては酷なことかも知れません。
というのも、自らが持っている知識とその価値が、しばらくすると世界に公開され陳腐化する可能性が高くなってきていることを意味するからです。
つまり、知識労働者は、全世界的な知識獲得競争に強制的に参加せざる得なくなってしまったわけです。
プログラミングはAI時代には当たり前のスキルに
そして、コンピュータ・インターネットに続いて、AIをはじめとする技術革新がさらなる変化をもたらすと言われています。
「AIやロボットが仕事を奪う」という論調のニュース記事もよく目にするようになりました。
中には「エンジニア」も仕事が減るという意見をいう識者もいらっしゃいます。
というのも、今はその習得に数百時間かかると言われているプログラミングも、様々な技術革新により、より身近にかつ手軽に身につけることができるようになる可能性が高いからです。
かつ、義務教育でもプログラミング学習が必修になるという流れもあり、今後は
- 読み
- 書き
- そろばん
に加えて
- +プログラミング
が、必須スキルになる可能性が高いと言われています。
ですから、プログラミングを身につけるのは当たり前で、大事なのはそのスキルを使って、いかに独自性のある価値をもって社会に貢献できるかということになるのではないかと考えます。
そして、その価値は常に相対的に、もしかすると急激に変動しますので、常にアンテナを張りつつ学び続けたいものです。
まとめ
さて、「なぜ、プログラミングを学ぶのか」という問いは、私自身にとってはなかなか難しい問いでした。
歴史などを紐解く中で、「知識を持って社会に貢献する」というピーター・ドラッカーの定義に出会えたのは大きな収穫でした。
私自身、5年前にプログラミングを本格的に学び始め、その恩恵に預かって、今に至ります。
そのヨロコビを多くの方に知ってほしいと思い、ブログ、書籍、研修、コミュニティなどあの手この手で活動をしています。
それこそが、自分にとっては「知識労働」なんですね。
これからも、貢献できるように学び続けたいと思います。
「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」について
コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」では、毎月の定例会や勉強会、Slackでのやり取りを通して、皆さんのプログラミング学習の質やモチベーションを高めるための活動をしています。 過去の活動については、以下のページをご覧ください。- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2017-2018)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2019)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2020)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2021)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2022)