みなさん、こんにちは!
会社設立から1か月経ってたのに今気づいたタカハシ(@ntakahashi0505)です。
私がテーマとしています仕事効率化。
当ブログではそのお手伝いができればと思い、日々お役立ち情報を更新していますが、本業としては対企業様に対して個々のニーズに合わせてお仕事効率化のお手伝いを差し上げています。
企業の中の特定の個人もしくはチームの仕事効率化が実現できたとしたら…個人やチームのこなせる仕事量が増え、会社の業績が上がり、個人やチームの評価も上がり、組織の拡大や社員の昇給が発生し…といったような、仕事効率化をきっかけに良いスパイラルが生まれるのが理想です。
ありがたいことに、いくつかは具体的にお仕事をさせて頂いています。
一方で、残念ながらお仕事にならないケースもあるのですが、そのお断りの理由で最も多いものは何だと思いますか?
非常に興味深くかつ取り組みがいのある問題です。今回はその点について調べたこと考えたことを、どちらかというと経営者や管理職の目線でお伝えしたいと思います。
仕事効率化を進められない最大の理由
弊社の提案金額が高いのでしょうか?
たぶん、そうではないと思うんです。
例えば、とある社員さんの月給が30万円だったとして、弊社が15万円で提案した案件を進めることにより、いつも担当されているお仕事が以前の70%の時間で完了できるようになったとします。
すると30万円×30%ですから、1か月あたり9万円分のコストダウンになります。2か月間その業務が発生するのであれば、2か月でかけた費用はペイできる計算になります。
その社員さんはその効率化のノウハウを知ることができ、30%空いた時間で新たな仕事にチャレンジするなどのメリットもあります。
悪いことはなさそうなのですが、でも、お断りされることがあります。
では、発表しましょう。
その理由は
効率化してしまうとその人に与える仕事がなくなってしまう
というものです。
いやいや、他にも仕事あるでしょ?と思うのですが、そんなに簡単な話ではないようなのです。
それはなぜか?
その問いについて、ひも解いていくことには非常に重要な気がしてなりません。
時給による契約が仕事効率化のメリットを破壊している
そんな中、とあるキーワードに辿りつきました。
それは「時給」というキーワードです。
大多数の働く人々にとって、「時給」は安心感につながります。仕事のパフォーマンスが仮に低かったとしても、時給で働いているかぎり、出社すれば給料が支払われるからです。
引用:「時給」という考え方を卒業しないと、「稼げる」人材になれませんよ
少し考えればわかることでした。
正規雇用であろうと、非正規雇用であろうと、一般的に会社で働く多くの人は「時間」に対して給料を確約されています。成果ではありません。
社員の皆さんにとってお給料をもらう理由は「成果」でも「仕事量」でもなくて「時間量」なのです。
逆に悪い言い方をあえてしますと、そこに居続けることができれば、仕事のパフォーマンスが高い必要はないのです。
他にもこのような考え方も、あります。
部下の考え方、一例
*残業している人ほど、評価されているのではないか?(上司の印象がいいのでは?)
*ある程度の残業代は欲しい、だからゆっくり仕事しよう
*仕事を早く切り上げて、早く帰りたいけど、そうするとまた仕事が増えるんじゃないか▶︎ゆっくり働こうかな
引用:ブラック企業?残業地獄?あなたはどうやって解決しますか?
仕事の効率を上げることで早く帰るとむしろ評価されないし、残業代ももらえなくなる、ということが有り得てしまうのです。
現場にとって仕事効率化はもはやデメリットとも言えなくもないですよね…。
このように、雇用契約で時間に対して給与を発生させることを約束している限り、社員にとって仕事効率化は邪魔ものになってしまうという恐ろしいロジックが成り立つ可能性があるのです。
管理業務に上司も部下も時間が奪われる
経営者や管理職の立場ですと、低パフォーマンスで時間を埋めればいいなどという社員や部下は放っておけるわけはありません。
従って、あの手この手で部下がパフォーマンスを上げられるように努力をしなければいけなくなります。
例えば、毎日日報を提出させること、定期的な面談や定例会議、部下のメールの送受信でCCに必ず入ること、など様々な形で部下のパフォーマンスをチェックしなければいけません。
ついにはPCの使用履歴を記録してチェックしたり、GPS機能を使ったアプリで行動を常に把握するというような例もあります。
ここまでやれば社員のパフォーマンスも上がるだろう…なんて、そんなわけあろうはずがありません。
むしろ、これら監視的な管理業務は社員と管理職自身の多くの時間を奪う形になっていますし、ここまで来ると仕事効率化の問題はスッカリ信用の問題にすり替わっている気がしなくもないです。
正社員がいない会社
少し極端な例をお伝えしてきました。
さて、一方でこの時給による契約が原因でパフォーマンスが上がらない問題が絶対に起きない企業を発見しましたので紹介したいと思います。
タイトル通り「正社員」がいません。
では誰がいるのか?
まず、経営陣。
1.経営戦略、企画、新規事業、研究開発、営業は社長と役員が成果主義で行う。
そしてフリーランス。
2.実作業はフリーランスが行う。
契約によって成果が定義され、時間はどれだけかかろうがもちろん支払いは一定。一定の要件を満たすと割増の報酬があり、かなりの額を稼ぐことができる。
パートタイム。
3.だれでもできる雑用。事務処理や手続き関係などは、パートタイム労働者が担う。
こちらは作業定義とマニュアル化が極めて高度に進んでおり、労働者単位で生産性が測定されている。フリーランスと同様、一定の生産性が出せない労働者は契約が更新されない。逆にフリーランス同様、一定以上の生産性が出せる労働者にはボーナスが支給される。
以上です。
パフォーマンスの低い人はこの3者の中には残らない仕組みになっています。
こんなの無理だよーって思います?
いいえ、無理ではありません。
社外の企業や個人に外注するときは、同じようにやっていますよね。
作業定義をきちんとして、きちんと成果物があがったら約束の報酬を支払う、そして良い仕事をしてもらえたら次の仕事も継続してお願いする。
では社員に対して摘要できますでしょうか?
成果が上がらないから支払わないとか、契約を更新しないなどというのは難しいので、まずは作業定義と成果が一定以上上がったときの成果報酬をやってみてはいかがですか?
仕事効率化と人事制度はセットで考える
この記事を通して何が言いたいかというと、結果として仕事効率化は人事制度とセットで考えなくてはいけない場合が多いということなんです。
仕事効率化を考えるにあたり、必要となる人事制度関連の対応が2つあります。
まず、担当者には仕事効率化によって上がった生産性とその成果に対する明確な評価が必要です。
そうしないと担当者にとっては生産性を上げる理由が見つけられません。
また、もう一つ重要な視点が社員の成長を会社の成長と捉えることです。
天下のGoogleの有名な制度で20%制度というのがあります。
「社員に本来の業務以外の取り組みを認める手段」であり、「日常業務に支障が出ないかぎり、20%ルールをいつ実行するかは完全に自由」
その目的は何かと言いますと、こう名言されています。
20%ルールの最も重要な成果は、「新しい試みに調整する経験を通じて、社員が学ぶことだ」
引用:米Googleの「20%ルール」がGmailやGoogleマップを生み出せた心理学的な理由とは?
Googleですと社員の給料も高いと思うのですが、その20%を社員に委ねています。信用ありますね。
さて、社員の皆さんは毎日同じ仕事を100%で一生懸命やってくださっていたとしても、世の中が進歩していて、社員の年齢が増えていく限り、相対的に劣化していきます。
社員全員が劣化するのであれば、それは会社全体が劣化するということです。
だから社員の成長を就業時間外の社員任せにしてはいけません。社員の成長は会社の問題ですから、就業時間内でも効果的な社員教育をちゃんと考えるべきです。
少なくとも世の中の進歩と社員の年齢の増加に耐えうるだけの、人材の成長は最低限として捉えて頂ければと思います。
まとめ
労働法が「時給」をベースに作られているので、管理職や人事担当者、そして経営者はかなり複雑で難易度の高い運営を求められていると思います。
それでも、いくつかのできることはあります。
- 社員の成果を明確にして評価すること
- 社員の成長を会社の成長と捉えること
は手始めとしてトライする価値は十分にあると思いますよ。
コメント
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