みなさんこんにちは、テラド(@terashin1226)です!
Windowsのポチポチ業務(マウスを使った業務)を爆速化するために、PowerShellを使った効率化の方法をお伝えしています。
前回はコンソールから関数を登録して呼び出す方法をお伝えしました。
「社内データは西暦で管理されているけど、提出用の書類は和暦で書かないといけない…」
日常の業務で割とありませんか?
西暦和暦変換表をサイトで開いて「ええと1986年は…和暦で…何年だ?」こんな面倒な作業はコンピュータにサクッとやってもらいましょう!
今回からPowerShellをコンソール上からサクッと西暦を和暦に変換する方法をお伝えしていきます!
- 関数を短い名前で呼び出せるエイリアスについて
- 関数とエイリアスをいつでも呼び出し可能にするプロファイルについて
- 西暦を和暦へ変換する関数を作成する
- 完成した関数とそのエイリアスをプロファイルに登録する
というように順を追って説明していきますよ!
本記事では関数を短い名前で呼び出せるエイリアスをご紹介します。関数名とは別に「あだ名」をつけて呼び出すようなイメージです。
それではいってみましょう!
エイリアスとは
コンソールでよく使うコマンドレットや関数の長い名前を毎回タイプするのは面倒くさいですよね。
そこで便利なのがエイリアスという方法です。
エイリアスとは「あだ名」のように、関数を短い名前で呼び出す方法のことです。
よく名前を呼ぶのに、毎回フルネームだと大変ですよね…
エイリアスを使えば、友達を呼ぶように短いあだ名で呼びだせるようになります。
New-Aliasでエイリアスを作成する
エイリアスを作成するにはNew-Aliasコマンドレットを使用します。構文は以下の通りです。
対象としたコマンドレットまたは自作の関数にエイリアス=あだ名をつけることができます。
試しにコンソールの表示をクリアするコマンドレット:Clear-Hostにエイリアスを設定してみます。
New-Alias -Name "ch" Clear-Host
コンソールで実行すると…
何も起こらずに処理が終了しました。
Get-Aliasでエイリアスを確認する
現在設定されているエイリアスを確認するには、コマンドレット:Get-Aliasを使用します。
コンソールで実行すると…
このように設定されているエイリアスすべてが表示されます。
さきほど設定したchが登録されていますね!
…あれ!そのchの少し下にもClear-Hostのエイリアス「clear」が設定されていますね。
このようにデフォルトで設定されているエイリアスもあるので、エイリアスを設定する前には一度Get-Aliasでデフォルトのエイリアスを確認しておくとよいでしょう。
では、実際に設定したエイリアス「ch」を使ってみましょう!
実行すると…
このようにコンソールに入力されていた内容がすべてクリアされました!
「ch」というエイリアスで「Clear-Host」が呼び出されていることがわかりました。
関数にエイリアスを設定する
エイリアスの仕組みがわかったところで、自作の関数にエイリアスを設定する方法を見ていきましょう。
構文はコマンドレットの場合と同じです。
引数で入力した文字と「Hello! 」という文字を結合してコンソールに出力する簡単な関数を用意します。
スクリプトは上から順に解釈され実行されるので、関数の定義の下にNew-Aliasを追加してください。
function Hello-World($str){ Write-Host ("Hello! " + $str) } New-Alias -Name "hw" Hello-World
ISEで入力して「sample.ps1」という名称でスクリプトを保存します。ISEで実行すると…
何も起こらずに処理が終了しました。
Get-Aliasで確認すると…
関数Hello-Worldにエイリアス「hw」が設定されていますね!
エイリアス「hw」を使って、関数を呼び出してみましょう。引数には「エイリアス」という文字列を設定します。
hw "エイリアス"
コンソールで入力して実行すると…
エイリアス「hw」で自作の関数「Hello-World」を呼び出すことができました。
「関数名を短くすればいいのでは…」というご意見もあるかもしれませんが、他のスクリプトから呼び出す場合を考えると短い名称では何をやっているか一目でわからない=可読性が悪くなるので、「動詞-名詞」とわかりやすい関数名をつけておいて、コンソールでよく使う場合はエイリアスを設定したほうがよいでしょう!
まとめ
いかがだったでしょうか。
New-Aliasコマンドレットを使えば、短い名前で関数やコマンドレットを呼び出せるエイリアスを設定できます。
しかし、エイリアスはPowerShellを終了すると消えてしまいます。
次回はPowerShellを起動時に実行されるプロファイルというスクリプトについてご紹介します。プロファイルを使えば、PowerShellの起動時に自動で関数やエイリアスを登録してくれます。
では、最後までお読みいただきありがとうございました!
連載目次:Windowsのポチポチ業務を爆速化するPowerShell
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