みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
今年はオンラインで開催されております、Google Cloudのデジタルイベント「Google Cloud Next ’20: OnAir」のレポートをシリーズでお伝えしております。
前回の記事はこちら。
2週目「Productivity & Collaboration」の「Weekly Recap with DevRel」から、GASの新IDEの発表&デモについてお伝えしました。
さて、今回からはイベントの最終第9週「Business Application Platform」に話題を移します。
Google CloudのBusiness Applications Pratform、VP & GMのAmit Zaveryさんによるソリューションキーノート「Powering Business Applications with APIs, Microservices, AI, and No-Code App Development」から、Google CloudのBusiness Application Platformとは、その全貌についてについてお伝えします。
では、行ってみましょう!
Google Cloud Business Application Platformとは
今回、「Business Application Platform」が正式に紹介されました。
このプラットフォームの使命として、以下のような説明がありました。
私たちの使命は、技術開発者とビジネス開発者の両方に、アプリケーションの作成と拡張、ビジネスワークフローの構築と自動化、レガシーアプリケーションの接続と最新化を可能にする統合ソリューションを開発することです。
全体図としては、以下をご覧ください。
Google Cloudは、このプラットフォーム上のAPI, ノーコードアプリ開発、Automationによってアプリ設計と開発領域の真の民主化を目指しているとのこと。
ノンプログラマーの働くの価値を上げるという私のミッションとばっちりハマっていますから、たいへんエキサイティングしております。
ちなみに、図にあるApigee、AppSheet、Lookerの3つのサービスが、昨今Googleが次々と買収をしたサービスです。
買収したサービスでプラットフォームを作る…さすが巨大企業という感じですね。
Business Application Platformの新サービスとアップデート
本セッションでは、Business Application Platformの新サービスとアップデートについて、主に以下の3つが紹介されました。
- Apigee
- AppSheet
- AppSheet Automation
Apigee
ApigeeはAPIを構築・管理するプラットフォームです。
主にサービスに付随するAPIを開発する場合にお世話になるものと思いますので、ノンプログラマー的には直接触れることはあまりないと思います。
ただ、Apigeeで開発・管理をされているAPIは、後述するAppSheetのコネクタとして使用できるわけですから、Apigee利用サービスが増えるということは、AppSheetで使用できる接続先が増えるということになります。
AppSheetの絡みでいうと、Apigeeがデータソースとして一般公開になったという発表がありました。
AppSheet
続いて、ノーコードアプリ開発プラットフォームAppSheetについてです。
ガートナーの予測では、2023年までに、大企業のアクティブな市民開発者の数は、プロの開発者の数の4倍になるとされています。
そのような「市民開発者」がアプリ開発を行う際のキーソリューションとして、ノーコート開発プラットフォームが注目されています。
そして、Forresterは以下のように伝えています。
AppSheetには、開発者としてビジネスマンに力を与えるための最も積極的な戦略とロードマップがあります。
実際に、以下のようなロードマップが発表されました。
- AI/MLによるアプリ開発支援、自動で機密データを検知、Document AIとの統合
- 動画キャプチャ、マテリアルUI、G Suiteとの連携
- 多数データソースとの接続(Apigee, Apps Script、SAPなど100以上)
これらの多くが2020年内に実装されていくとのこと。
ノンプログラマー的には、G Suiteとの連携や、Apps Scriptとの接続が大いに気になります。
AppSheet Automation
そして、もっと大きいといっていいかも知れない話題がAppSheet Automationです。
これは、AppSheet上の機能として提供されるもので、既存のプロセスを自動化できるというものです。
例としては営業の以下のようなルーチンタスクが挙げられてました。
- CRMシステムの更新
- クライアントと請求システムのセットアップ
- 営業指標のデータ入力
AppSheet AutomationはAIによる「intent-driven」つまり、「意図志向」が特徴とのこと。
言葉ではちょっとわかりづらいので、YouTubeに上がっていた以下のデモを見るとより理解が深まると思います。
このデモでは、Salesforceの注文の追加がトリガーに、上司の承認を得るというプロセスの自動化を紹介しています。
AppSheetエディタに「Automation」というメニューができて、その画面でクリックしたり、キーワードを入力して、プロセスの各ステップを入力していきます。
各ステップをクリックで作成して入力欄にキーワードを入力すると、いくつかの候補がサジェスト。選択することで以下のようなステップを作っていきます。
- Get manager approval(Call process): 上司の承認を得る
- Send to warehouse(Add row): スプレッドシートにデータを追加する
- Send rejection email(Send email): クライアントにメールを送信する
- Notify SalesOps(Webhook) : Chatで申請者に通知する
これはかなり強力なツールですね。
アーリーアクセスということですが、実際に触れるのが待ち遠しいです。
まとめ
以上、Google CloudのBusiness Application Platformとは、その全貌についてお伝えしました。
GoogleでいうとこれまでG SuiteとGoogle Apps Scriptが牽引してきた部分に、AppSheetを中心としたBusiness Application Platformが強力なツールとして追加されたということですね。
さて、次回はApp Sheetで用いられているAI/ML機能についてお伝えします。
どうぞお楽しみに!
連載目次:ノンプログラマーのための「Google Cloud Next '20: OnAiro」まとめ
2020/07~09にかけて開催されたGoogle Cloudのデジタルイベント「Google Cloud Next 2020: OnAir」。その中から、ノンプログラマー向けにおすすめ情報をレポートしていきます。- Google Cloud Next ’20: OnAirとそのノンプログラマー的な楽しみ方
- 未来のワークスペースのためのG Suiteのビジョン
- Google Meetの未来とビジョンそしてロードマップについて
- G Suite Developer Platformの主要なコンポーネントと今後のロードマップ
- AppSheetを使ったノーコードアプリで生産性を高める方法
- G Suite全体に組み込まれている数々のAI機能についてたっぷり紹介します
- G SuiteをMicrosoft Officeや他のアプリケーションと一緒にうまく使う方法
- どこからでもチームワークが可能となるG Suiteのコラボレーションとそのビジョン
- G SuiteのGmail、Chat、Meetなどによるコミュニケーションとその未来
- G Suite Essentials~チームがどこからでも安全に共同作業を行うための最も簡単な方法
- Google Apps Scriptのエディタが刷新…新IDEが登場します!
- Google CloudのBusiness Application Platformとは、その全貌について
- AppSheetに組み込まれているAI/ML機能と今後のアップデートについて
- AppSheetを用いてデスクレスワーカーの仕事をデジタル化する方法