みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」は、ノンプログラマーがプログラミングをはじめとするITスキルを学び合うコミュニティです。
さて、イベント盛りだくさんのノンプロ研ですが、先日は月一開催の一番メインといってもいいオフラインイベントである定例会が開催されました。
テーマは「ノンプログラマーのための社内のVBA&GAS活用法」。
非IT部門でいうと、所属しているチームにプログラミングを業務に活かすための地盤ができていなかったり、会社からのバックアップが十分に得られなかったりします。
チームや組織を巻き込みながらプログラミングを活用するのってすごく難しいように見えるのですが、実はめちゃめちゃ実践しまくっている方々もいるわけです。
ノンプロ研の中でも1,2を争うであろうプログラミングを活用されているセラエノさんと、etauさんにご登壇いただき、そのノウハウをうかがいました。
いや~すごかったっすね。
ということで、「ノンプログラマーのための社内のVBA&GAS活用法」のレポート、行ってみましょう!
ちなみに当日の様子は以下、Togetterのツイートまとめもご覧くださいませ。
社内のVBA活用法
まず、最初のご登壇はセラエノさん。社内のVBA活用法のお話をいただきました。
VBAで機械学習にトライするという猛者中の猛者(でもとても優しい方)で、ノンプロ研でも講座のティーチング・アシスタントを担当いただきました。
どんなツールを作ってきたか
セラエノさんが勤めるのは、いわゆる大企業。
セキュリティが厳しい会社さんで、GASもSlackも利用できないし、アプリのインストールも不可、コマンドプロンプトも使用できない…と、使用するツールの制限もかなり多いわけです。
そんな中で、プログラミングの活用なんて、無理そうと思いますよね??
でも、Excelが使えるからVBAは使える!!!!
それで、セラエノさんは得意のスキルと好奇心を活かして、以下のようなツールを次々と開発します。
- 報告書作成ツール
- 勤務管理ツール
- 日報作成ツール
- 送り状作成ツール
- CSV編集ツール
- 台帳補正ツール
- 販売品管理ツール
- 営業成績管理ツール
- スキル判断ツール
- イベントログ取得ツール
- ベンチマークツール
- ファイル一覧取得ツール
- ハッシュ値取得ツール
などなど…VBAでこんなことできるのかというところまで!
さらに、他部署からの依頼も受けたり、部内・部外の研修を受けたりと獅子奮迅の大活躍をされています。
なにせ、選択肢が限られてますから、VBAの使い所が多く、そして価値が非常に高いというわけなんですね。
社内で活用するときに気をつけていること
どんどん社内のあちこちから依頼を受けているセラエノさんが、依頼を受けるときに気をつけることを教えてくださいました。
その中で、特に個人的にポイントだと思った点は「他部署からの依頼は必ず上司を通すこと」と「バグをとことん消し込むこと」です。
上司を通すことで、組織としてのお墨付きを得た状態で開発ができるわけですね。
そして、上司や「VBA」の信頼を高めるように、完璧に近いツールを作ると。
それでVBAやセラエノさんの信頼が高まって、あちこちからお声がかかり…みたいな良い循環が生まれるんですね。
環境が厳しい会社でも、ちゃんとプログラミングをお仕事に活用できる、素晴らしい実績ですね。
最後にセラエノさんのセリフをお借りします。
「弊社環境ではExcel VBAは最強です!」
社内のGAS活用法
座右の銘が「働きたくないでござる!」のetauさんからは、GASの社内活用法についてです。
etauさんは従業員数25名程度の中小企業の経営メンバー。
ノンプロ研は初期から参加いただいていて、イベントやSlackをいつも盛り上げてくださっています。
あと、9月からスタートする初心者講座GASコースの講師も担当いただきますね!
GASで実現していること
以下のような、社内のさまざまなフローをほぼGASで実現されているとのことです。
- Googleフォーム&Slack
- 出退勤打刻
- 休暇、遅刻・早退申請
- 健康診断申請
- 応接・会議室予約
- 時限トリガー
- 総務、勤怠管理のアラート
- 残業時間アラート
- メール下書き作成
- 月替りのシート・ドキュメント作成
- スライドのPDF化
- 値編集トリガー
- 更新チェック
- マクロボタン
- bot
- 質問
- 翻訳
- 有給管理
…ここまでやりきったらかなり効率化されますよね。
あと、bot系の話で目からウロコだったのは、アラート出してプッシュする仕事など、人がやるとストレスになるような仕事をbotにやらせようというもの。
そういう考え方は本当に大事ですよね。
どうGASを広げていくか
まず、GASで自分の作業を効率化したあと、社内でGASを布教して広げていきます。
etauさんは経営メンバーなので、どんどん首を突っ込んでいくスタイル。
- Google+やSlackでプログラミングの情報を提供
- 社内勉強会
- あちこちの部署で「面倒そうな業務」を見つけてGAS化
展開する上で、大きな面倒くさいことを効率化すると、今までは気にならなかった中くらいの面倒がなことが面倒に思えてくるので、その面倒と思える感度を上げていくというのが大事とのこと。
そうして普及する中で、PCスキルが上がってくる、論理的に議論するメンバー増えた、同じ人員でたくさんの仕事を回せるようになったというメリットがあったそうです。
etauさんはGASを学ばれてはじめてから2年くらいでここまで持ってこられたので、中小企業だったら1,2年くらいのスパンで一気にGAS化を進めるのはおすすめですね。
まとめ
以上、「ノンプログラマーのための社内のVBA&GAS活用法」のレポートでした。
お二人ともたいへん素晴らしい事例で、コミュニティ運営担当の目線を抜きにしても、ここまでのプログラミング活用事例を聴けるイベントってなかなかないのではないかと思います。
他にもノンプロ研には素晴らしい事例を持っている方々がたくさんいらっしゃると思いますので、ぜひ掘り起こしてお話いただけるようにしたいですね。
今後の定例会イベントもぜひ楽しみにしていただければと思います。
「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」について
コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」では、毎月の定例会や勉強会、Slackでのやり取りを通して、皆さんのプログラミング学習の質やモチベーションを高めるための活動をしています。 過去の活動については、以下のページをご覧ください。- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2017-2018)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2019)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2020)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2021)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2022)