『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』

みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。

こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!

今回のテーマは、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』です。

#712 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』 | タカハシノリアキ「『働く』の価値を上げるスキルアップラジオ」/ Voicy - 音声プラットフォーム
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』→

なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!

では、よろしくお願いいたします!

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紹介したい書籍「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」

今日は、書籍を紹介したいと思います。

そのタイトルはこちらになります。「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」

非常に興味深い問いが書籍のタイトルになっているですが、僕としては働くということと学ぶということ両方をテーマに活動していますので、非常に、ど真ん中という感じなのです。

この書籍を読み終えて、色々と、本当に学びが多かったので、紹介しつつ、少し僕なりの考察なども含められればなと思っています。

本が読めない働き方は「普通の社会」なのか

著者は三宅香帆さんです。文芸評論家でいらっしゃいます。

出版は集英社新書からで、285ページとなっていますね。

著者の三宅さんなのですが、本の虫を自称するほど本が大好きでいらっしゃったんです。

それがIT企業に新卒として入社した1年目、あることにショックを覚えられます。

というのも、一生懸命働いて仕事自体は楽しかったとおっしゃるんですが、あれだけ好きだった本、それを全然読んでいないということに気づいたのです。

朝9時半から20時まで働いて、それ以外にもやることいっぱいありますよね。

ただ、それでもやっぱり本を読みたいということで寝る前などに本を開くのですが、なぜか集中できずにスマホでSNSを見始めてしまう、そんな状況だったそうです。

そして、三宅さん、こう思ったのです。

「本も読めない働き方が普通の社会、おかしくないか」と。

そしてこの本が、その問いに答える形で書かれたということになります。

どうすれば労働と読書、これが両立できる社会になるのか、これを、日本の近代以降の読書史と労働史、それぞれを並行して追いかけて、その2つの関係性を見ながらこの問いについて考えていこう。

このような、僕にとってはこれまで出会ったことのない新しい試みの書籍でした。

労働のあり方と成功の定義の変化

どうして働くと本が読めなくなるのか。

これに関しては、労働のあり方が時代とともに変わってくるのですが、それによって成功の定義も変わりますよね。

そこにその答えがあるんじゃないか、そういった話でした。

明治時代「西国立志編」大ヒットの理由

たとえば、明治時代で言うと、大ヒットした書籍で「西国立志編」という自己啓発書があるのです。

明治時代で言うと、江戸時代と異なって、「居住の自由」そして「職業選択の自由」、これが与えられた時代です。

つまり、実力によって出世して成功することができる、このようになったのです。

そして、そのためには社会に関する知識、たとえば歴史的偉人の成功談とか考え方、そういったものが有効であると思われており、先ほどの西国立志編というのは、300人以上の欧米人の成功談を翻訳したものだったのです。

それによって大ヒットしたということです。

そのような社会に関する知識、「これが成功のために必要だ」「重要である」と、そのように思われていた時代は戦後ほどまで続くのです。

現代はタイパ重視で「ノイズ」を回避

しかしその後、高度成長期、バブル、それらを経て現代に来ると変わってくるわけです。

テレビの時代からインターネットの時代に移り変わります。

そうすると、仕事による成功、これが何なのかという定義が変わってくるわけです。

今、「あなたにとって成功とはなんでしょうか。」

こう聞かれた時に、出世って答える人はだいぶ少なくなっているんじゃないかなと思います。

一方で、「自分の好きなことで働くこと」だったりとか、「自分らしいキャリアを歩むこと」だったりとか、そういった自己実現が成功である、このように言う人が現代で言うと増えてきている、そのように本書では主張しています。

すると、その自己実現のために自分にとって必要な情報、これはインターネットを駆使することで効率よく得ることができますので、それをタイパ重視で摂取をしていくわけです。

そういった時に使う手段というのはGoogle検索であったりYouTubeであったりするわけで、もし書籍として手に取るのであれば、そういった自己実現の方法を効率よく得ることができる自己啓発書になるということなのです。

自分にとって必要なのかどうか判断がつかない、ちょっと遠回りになりそう、そういった書籍に関しては、本書の中では「ノイズ」と表現されていますが、手に取られづらくなってしまうということなのです。

読書をノイズと感じるか

さて、ここまでの話を受けて、あなたはどのように感じられたでしょうか。

確かに色々な調査を見ると、「読書をしない日本人」というような形で、実際に読書習慣があるビジネスパーソンは多くない。

こういったことが多いので、そういった数値と見比べると納得感のある話ではあります。

しかし、僕自身だったりとか、僕の周りだったりとか、「この人は読書をノイズって感じているんだろうな」とそんな風に思えるような人は、ほとんど見当たらないのです。

社会に影響できると信じられているかどうかが分かれ道

僕自身の経験で言うと、独立してから後は、圧倒的に読書をしているという印象があります。

売れ筋の書籍を追いかけているというわけではなくて、プログラミングが必要だからプログラミングとかソフトウェア設計の書籍を読むとかです。

もしくは教えるという仕事をし始めましたので、学習とか脳科学とかインストラクショナルデザインとか、そういったものを大量に読み漁る、そういった時期もありましたね。

DXという言葉が出てきてから、まさにDXの書籍だったりとか、組織をいかに変えるか、それから学習する組織やアンラーニング、さらにコミュニティ「ノンプロ研」を運営している中で、実践コミュニティだったりとか、越境学習とか、そういったものも学ぶようになりました。

僕の場合は、「日本の働くの価値を上げる」を目指して活動しています。

なので、社会にちょっとでもいい影響を与えたいなというのが読書の理由になっているのです。

一方で、本書で語られている「読書をしない人達」というのは、どうせ組織はなんとも変わらない、社会もとも変わらない。

そういったことが前提で、それであれば「コントロールできる自分」、そこにだけフォーカスをして、自分の行動を変えることで自己実現を目指そうと、だから、変えられない対象である社会、ここに興味を持っても仕方がない。

そういったことから、読書が「ノイズ扱い」になってしまっているわけです。

なので、ここで言えることというのは、組織とか社会とか、それらに自分で何らかの影響を与えることができるんじゃないか、そう信じられるかどうかというのが1つの別れ道になっているような気がします。

好奇心で読書を楽しむ人達

一方で、読書を愛する人達には別の種類の方々もいるのです。

たとえば、コミュニティ「ノンプロ研」のみなさんだったりとか、「flier book labo」のみなさん、本をとても愛している方が多いのです。見ていると純粋に好きなんです。

興味とか好奇心でどんどん書籍を手に取って、それについてみなさんと対話するのをすごく楽しんでいます。

何か組織を変えたいとか社会を変えたい、そういった思いの方もいらっしゃるとは思うのですが、どちらかというと、その知ること自体が楽しい、知ったことをみんなと対話すること自体が幸せ、そういった方が多いような気がしているのです。

労働と読書を両立させるヒント

元々そういった人たちが集まっているという可能性もあるのですが、一方で、そういった場に関わることで徐々に自分がそう変わっていくということもあるんじゃないかなと思います。

というのも、僕、flier book laboに去年参加したのですが、それ以降、哲学書を読むようになったのです。

これまでも1冊2冊は読んだことあるのですが、ここまでの数を読むというのは結構初めてだったりします。

もちろん、僕自身だったりとか、その仕事だったりとか、それへの関連性はゼロではないのです。

ただ、やはりITの仕事と哲学、距離感だいぶありますよね。

しかも書籍によりますけど、なかなか読み解くのが難解だったりもします。

なので、これまでの僕だったら、その哲学書というのをノイズと捉えていた部分もあったんじゃないかなって思うのです。

ただ、flier book laboでそういう本があるということを知ったりとか、それらの本について熱く語る人たちと関わるようになったりとか、それを通してじゃあ自分も読んでみようかなとなった自分もいるわけです。

本を読んでいる人たちとの関わりを持つこと、これが読書のノイズ感を低減して、労働と読書を両立させることができるようになる、その1つのヒントとしてあるんじゃないかな、などとも思いました。

あなたはどう思いましたでしょうか。

この本を読んで思ったこと

今日は「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」、こちらの書籍の紹介をさせていただきました。

さて、この本を読んで思ったことなのですが、そこまでみなさん自己実現に追い立てられているのであれば、ITとかプログラミングとかもっとやったらいいのになんていう風に僕は思ったりしたんです。

それ自体に興味がないとしても、何か自己実現したい時にどんなことを目指すにしろ、強力な武器になることは間違いないとは思うのですが、でも、そうとはなってないような気がしますね。

もしかしたら、このITとかデジタル、それもノイズと思われているのかもしれないな、なんていう風に思いました。

あなたはどう思いますでしょうか。

今回の放送は色々とみなさんに問いかけしましたが、何か思いついたことあればぜひコメントいただければと思います。

まとめ

ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』」をお届けしました。

タカハシのVoicyの放送はこちらからお聴きいただけます。

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では、また。

タカハシノリアキ「『働く』の価値を上げるスキルアップラジオ」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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