みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
本記事公開が7/13ですが、その一週間後となる7/20にいよいよ書籍「「デジタルリスキリング入門 ――時代を超えて学び続けるための戦略と実践」」が発売されます。
今回、出版をお願いしております技術評論社さまのご厚意により、当ブログに「デジタルリスキリング入門 ――時代を超えて学び続けるための戦略と実践」のまえがきを全文掲載しても良いと許諾をいただきました。
これで、Amazonや楽天ブックスで注文される方も、事前予約されるかたも、その判断材料である「まえがき」をしっかり読んで購入検討できるというもの…
ということで、本記事では「デジタルリスキリング入門 ――時代を超えて学び続けるための戦略と実践」のまえがき全文を掲載させていただきますね。
では、行ってみましょう!
はじめに
「リスキリング、何を学ぶべきですか?」
本来、時代の変化に合わせてスキルを身につけるという営みは、ふつうに人類が行ってきたもので、そんなバズワードをわざわざ生み出さなくても良いものです。実際、僕はリスキリングが話題になる前の2015年から、ノンプログラマーのみなさんにデジタルスキルを身につけていただくという仕事をしてきています。
しかし、僕たちはここ数年の間に、新型コロナウイルス禍やウクライナ危機を代表とするような世界の不確実性の高まりや、ChatGPTといったAI技術をはじめとする急速な技術革新を、まさに身近なものとして体感することになりました。一方で、そのような激しい時代のうねりの中、人生100年時代の長い日々を働き抜くことを考えなくてはいけません。
そのような背景から、「今の自分のスキルだけでやっていけるだろうか」という不安が増大してしまうのは、たしかに共感できることですし、何らかの権威に「学ぶべきものを教えてほしい」と尋ねるのは自然なことです。
たとえば、動画やe-ラーニング、書籍など、そのスキルを学ぶための教材を見つけて学習を開始します。しかし、少なくないケースで、スキルを習得する前の段階で挫折し、学習をやめてしまい、何も習得できないということが起こりえます。この原因は、多くの日本人に染み付いている、誤った学習観によるものです。つまり、良くない方法で学習してしまうのです。
もちろん、うまくスキルを習得できることもあります。しかし、残念ながら、そのスキルは時代の流れとともに陳腐化し、価値を失うことがあります。人が担っていたタスクが、AIなどの先端技術に代替されるというのは、今まさに起こり続けています。そうなると、結局のところ、スキルを身に着けなかった状態に戻ってしまうのと同じではないですか。
では、どうすれば本当の意味で成功するのでしょうか。
その問いの答えを明らかにし、そして、あなたをその状態に持っていくことが本書の役割です。
まず、0章はリスキリングのロールモデルとして、僕自身の半生を辿っています。本書には、その紆余曲折に溢れた経験から抽出したエッセンスが詰め込まれていますので、1章以降を読み進める際の事前情報として役に立つはずです。また、10年単位でリスキリングに取り組むとどうなるのかの一例を知っていただくパートでもあります。
次に、1章ではリスキリングを開始する前の準備として、事前知識を身につけ、現状の把握をするとともに、リスキリングを通して何を目指すかを確認します。
2,3章は、リスキリングの戦略を会得していただくパートです。もともと備わっている学習観はリスキリングに不利に働いている可能性がありますので、まずそれを捨て去ります。その上で、戦略、つまりリスキリングの成功率を極力まで高める方法である、思考・行動の型であるOODAループと、そのループを回す際のいくつかの原則を学びます。この戦略が、次々とスキルを身につけ続ける土台となります。
戦略を身につけたなら、リスキリングの取り組みを開始します。4,5章はその最初の一歩として、時間を生み出すこと、そしてデジタルスキルを身につけることを提案しています。これらは、以降のリスキリングの活動において、より有利な局面をつくることにつながります。ここのパートは、2,3章で得た戦略を適用しながら、実践してみてください。
さて、3章で「学習の原則」についてお伝えしていますが、ここを先に読んでいただくと、本書の学習がよりはかどると思います。そして、全編を通して、実践する、書く、話すといったアウトプットをしながら読み進めてみてください。気づいたこと、目から鱗だったこと、疑問に思ったこと、実践してみたこと、またその結果どうだったかなどです。Twitterで「#デジタルリスキリング入門」のハッシュタグを付与してツイートしていただければ、他のユーザーと刺激し合うことができますし、僕も拝見したいと思います。仲間がいると心強いものです。
そのようにして、本書を活用し、読み終えたころ、あなたのリスキリングの取り組みは、推進力を得て回転をしはじめるはずです。あとは、その慣性に逆らうことなくエネルギーを注いでいけば、その回転はどんどん加速します。そして、あなたは時代の流れに合わせて成長し、価値のある「働く」を実現し続けることができるようになるでしょう。
では、そんな未来を目指して、デジタルリスキリングの一歩目を踏み出していきましょう。
2023年6月 高橋宣成