解説!学習コミュニティにおけるOODAループの「意思決定」と「行動」

解説!学習コミュニティにおけるOODAループの「意思決定」と「行動」

みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。

常に動き続けている学習コミュニティ。その運営には、迅速で柔軟な意思決定と行動ができるOODAループが適しています。

前回までで、2つ目のステップ「Orient(情勢判断)」までをお伝えしました。

今回は、OODAループの3つ目、4つ目のステップ「Decide(意思決定)」と「Act(行動)」についてみていきましょう。

ということで、今回は「解説!学習コミュニティにおけるOODAループの「意思決定」と「行動」」です。

では、行ってみましょう!

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OODAループとは?

OODAループは、アメリカ軍の戦略理論家ジョン・ボイド氏が提唱したフレームワークです。以下の4つの要素で構成されています。

  1. Observe(観察):内外を観察して把握する
  2. Orient(情勢判断):観察をもとに、流れをつかみ、方向づけをする
  3. Decide(意思決定):行動を決定する
  4. Act(行動):決定に基づいて行動を実施する

これらのステップを繰り返すことで、状況に応じた柔軟な対応が可能になります。

今回は、意思決定(Decide)以降のステップについてみていきましょう。

意思決定(Decide): 行動につなげるべく物事を決める

情勢判断をして全体の流れをつかみ、方向づけがなされたなら、「意思決定(Decide)」を行います。実際の行動につなげるべく、諸々を決めます。

たとえば以下のようなものが挙げられます。

  • イベントの開催
  • Slackのチャンネルの設置
  • テンプレートスライドやマニュアルの整備
  • プロジェクト立ち上げの声がけ

ノンプロ研での最近の意思決定の事例

ノンプロ研で行った意思決定について、最近の事例を紹介します。

  • AppSheetひよこ部の立ち上げ
    • 情勢判断: AppSheetは世間の流れも良い、ノンプロ研でも使っている人、興味がある人が増えてきた、何か実践すれば盛り上がりそうだ
    • 意思決定: 初心者でも参加できる、AppSheetの事例を紹介し合う新しい部活動「AppSheetひよこ部」をつくる
  • BT大会を交流型のイベントに
    • 情勢判断: 小さなコミュニティに分散化している状況のため、みんなが集まる交流型の大きなイベントがあると良さそうだ
    • 意思決定: 年末恒例の忘年会を兼ねたイベント「BT大会」を交流型の大きなイベントにする

行動(Act)した結果をフィードバックする

最後は「行動(Act)」です。意思決定をしたら、あとは実行あるのみです。行動してみて得られた結果を、再び「観察」につなげOODAループにフィードバックします。

先ほどの事例について、どのように行動したか、どのようなフィードバックが得られたかみていきましょう。

  • AppSheetひよこ部の立ち上げ
    • 行動: 登壇者候補に声がけし、日程調整をして、2回ほどイベントを開催
    • フィードバック: ありがたいことにAppSheetを得意とするメンバーから、初心者向けのハンズオンの提案があり、開催。20名ほどが参加して、よりAppSheetを学ぶメンバーの裾野が広がり、会話も活発になった
  • BT大会を交流型のイベントに
    • 行動: なるべく多くのメンバーが参加できるように日程調整して開催
    • フィードバック: 東京オフラインは多くのメンバーが集まり、ふだん交流のないメンバーどうしの交流も生まれた。オンラインについては、日程が合わずに期待ほどの大きなイベントにはならなかった。日程調整を早めにする必要がありそうだ。また、年末だけでなく、6月頃にも何か企画をしてみたい

暗黙の誘導・統制のルートによる瞬時の意思決定

チェット・リチャーズ氏は著書の中で「暗黙の誘導・統制のルート」というものを提唱しています。

これは、観察や情勢判断が十分に行われていて、一定の条件が整っていれば、意思決定は瞬時に行われて行動に移せるというものです。つまり、「O→O→D→A」が「O→O→A」のステップに短縮され、ループのスピードが上がるのです。

コミュニティの規模が小さいうちは、コーディネーターがほとんどの意思決定をひとりで担うことが多いので、必然的に暗黙の誘導・統制のルートを通ることになります。

しかし、コミュニティが大きくなってくると、メンバーの数が増え、メンバーに役割を担ってもらうことも出てきます。その際に、コーディネーターがすべての意思決定をしようとすると、そのコミュニケーションと判断に時間を要するようになってきます。

すると、さまざまな局面で意思決定が遅くなり、動きが遅くなったり、止まってしまったりといったリスクが生じます。この状態は、メンバーの学びの機会を損ねたり、モチベーションを低下させたりといったことにつながりかねません。

これを防ぐには、メンバー全員がそれぞれ意思決定し、行動できるようにする工夫が必要になります。この点、詳しくはまた別の機会にお伝えしたいと思います。

まとめ

以上、「解説!学習コミュニティにおけるOODAループの「意思決定」と「行動」」についてお伝えしました。

引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!

この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!

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