みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」は、ノンプログラマーがプログラミングをはじめとするITスキルを学び合うコミュニティです。
先日の定例会のテーマは、現在人気沸騰中のMicrosoft製RPAツール「Power Automate Desktop」(略してPAD)。
6名の皆さんによるLT形式で、皆さんが触れてみて発見したことについて発表いただきました。
題して、「Power Automate Desktopでノンプログラマーの仕事はどう変わる?」です。
ちなみに当日の様子は以下、Togetterのツイートまとめもご覧くださいませ。
では、行ってみましょう!
Power Automate Desktopとは
冒頭に私から簡単に「Power Automate Desktopとは」についてお話させていただきました。
内容的には、以下の記事にまとめていますので、まずこちらをご覧いただければと思います。
要約すると以下のような理由から、ノンプログラマーの武器として大きな期待が持てるものとなっています。
- 従来は高価だったRPAツールが無償から使用できる
- 学習コストが低く、理解しやすいツールであるため、社内への導入もスムーズなことが期待される
選択肢はどのように変わるか
ノンプログラマーが業務の自動化をしようとしたとき、これまではVBAやPythonといったプログラミングの習得が最初の主要な選択肢でした。
しかし、そこにPADという選択肢が加わったことで、自動化したい対象によってはPADが最初の主要な選択肢になるというケースが出てくると想定しています。
以前「before」と、ここ最近「after」で表にしてみましたのでご覧ください。
項目 | befor | after |
---|---|---|
ExcelなどOfficeの操作 | VBA | モダンExcel・PAD |
CSV操作 | Python・VBA | モダンExcel |
PDF操作 | Python | PAD |
フォルダ・ファイル操作 | Python(・PowerShell) | PAD |
Winアプリ操作 | RPA(・Python) | PAD |
ブラウザ操作 | Python | PAD |
HTTP通信 | GAS・Python | GAS・Python |
スプレッドシートなどGoogleアプリの操作 | GAS | GAS |
もちろん、詳細によってはこの限りではないのですが、PADとモダンExcelで達成できることがグッと増えたのは間違いありません。
学習のしかたはどう変わるか
PADだけでなく、モダンExcelやノーコード・ローコードアプリ開発など、学習コストが低いといわれるノンプログラマー向けツールが多数登場しています。
また、今後も登場することが予想されます。
そうなると、学習コストが低くなる分、ノンプログラマーは複数のスキルを組み合わせて仕事をすることになるはずです。
何を、どう学習すべきなのか、情報収集力や、目利き力、また学習効率の高さなどが、今後よりいっそう求められるようになるでしょう。
ノンプロ研や、ブログ・書籍などの執筆を通して、そのあたりを重点的に支援していきたと考えています。
PADに触れてみて気づいた良かった点
PADに触れてみると、外からでは見られない魅力やチャームポイントも発見できるというもの…皆さんのLTから、PADに触れてみて気づいた良かった点についてまとめてみますね。
プログラミング知識でループ処理もお手のもの
PADはローコードプログラミングということで、ループや分岐などのフロー制御も可能です。
ですから、プログラミングを学習済みの皆さんなら、フローを修正して、ループ処理をつくるというのもお手のものなわけです。
PDFやOCRなど紙資料業務に効果的
PADにはPDF処理やOCR処理など、紙ベースにした業務にも有効な機能がデフォルトで用意されています。
そもそもデータが紙なんで…という現場に投入することで、効果的な最初の一手となることが期待できます。
FTP操作などできることがたくさん
FTP操作ほかアクションが多数用意されていて、プログラミングなど他の手法では実現できないことも、PADでは実現できたりします。
アクションはひととおり確認しておきたいですね(たくさんありすぎますが…汗)。
完全日本語は評価が高い
プログラミングは非IT職にとって「わからないもの」なので、どうしても余計な抵抗感を生み出します。
しかし、PADは完全日本語で誰にでもだいたいわかる内容なので、その抵抗感をかなりスポイルしてくれます。
これ、ほんとありがたい…!
VBScriptやPowerShellとも連携が可能
PADはVBScriptやPowerShellなどとも連携が可能なので、PADでできないことがあったとしても、そちらで吸収することを期待できます。
PADに触れてみて気づいた困った点
実際に触れてみるとチャームポイントとともに、見えてくるのがハマりがちな点や、がっかりする点など…
これも実際に触れてみないと気づきづらい点ですが、皆さんからシェアいただいたのでまとめます。
不合理な業務フローも自動化できてしまう
PADでは不合理な業務フローも自動化できてしまいます。
しかし、それをそのままにせず、そもそもの改善を事前にすべきですよね。
学習コストは低いとはいえ、業務理解や社内調整なども必要になるのです。
要素を認識してくれない
アプリやWebのUI操作でいうと、PADが操作したい対象を認識してくれないということも。
LTではGoogleスライドや、実務で使用しているERPなどがその例として挙げられていました。
やってみないとわからないですし、できなかったときにどうするか?という問題がありますね。
動作が不安定なことも
これはRPAではよく聞く話ですが、状況や場合によって、うまく動作しないことがあります。
その原因がはっきりしていればよいのですが、そうでないことも…
正常に動作しないケースが見受けられるなら、そのときにどうするかなどを用意しておく必要があります。
まとめ
以上、Power Automate Desktopでノンプログラマーの仕事はどう変わる?についての定例会レポートをお伝えしました。
PADは素晴らしいツールですが、お伝えしたとおり無敵のツールというわけではありません。
その利点や、気をつけるべき点を把握した上で、他の選択肢をうまく組み合わせて上手に活用していきたいですね!
「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」について
コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」では、毎月の定例会や勉強会、Slackでのやり取りを通して、皆さんのプログラミング学習の質やモチベーションを高めるための活動をしています。 過去の活動については、以下のページをご覧ください。- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2017-2018)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2019)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2020)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2021)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2022)