みなさん、おはようございます!タカハシ(@ntakahashi0505)です。
こちらの記事は、タカハシが音声メディアVoicyの「スキルアップラジオ」にて放送した内容から、ピックアップしてお届けします!
今回のテーマは、移住者は「都会風を吹かさないよう」正直すぎる七か条です。
なお、以下で実際にお聴きいただくこともできます!
では、よろしくお願いいたします!
福井県池田町の「移住案内」
毎週日曜日は糸島回ではあるのですが、移住つながりということで、今話題になっている福井県池田町の「移住案内」について考えてみたいと思います。
福井県池田町は、人口約2300人の町です。
福井県の南東部、岐阜県との県境に位置し、市街地までは30分から1時間弱程度の山間にあります。山林が9割を占めている雪の多い豪雪地域ということです。
福井県池田町が1月の広報誌に「池田暮らしの七か条」というのを掲載したんですね。
これは移住者向けの移住案内ですが、その内容が「正直すぎる」など話題になっているんです。
https://www.town.ikeda.fukui.jp/pick/pickjukyo/p002780_d/fil/nanakajou.pdf
まず前置きとして、「町の風土や人々に好感をもって移り住んでくれる方々を出迎えたい。しかし、後悔や誤解からのトラブルを防ぎたい。そのための心得」とあります。なので移住者へのお願いというかメッセージになっています。
全部で七か条あります。
先に言ってもらえたほうが助かる情報
第2条 参加、出役を求められる地域行事の多さとともに、都市にはなかった面倒さの存在を自覚し協力してください
第7条 時として自然は脅威となることを自覚してください。大雪は暮らしに多大な影響を与えることから、ご近所の助け合いを心がけてください
こういうことは田舎暮らしではあることなので、確かに、先に言ってもらえたほうが助かる情報かなと思います。
表現的にきつめなメッセージ
第4条 今までの自己価値観を押し付けないこと。都会暮らしを地域に押し付けないよう心がけてください。都会風を吹かさないよう心がけてください
第5条 プライバシーが無いと感じるおせっかいがあること、また多くの人々の注目と品定めがなされていることを自覚してください
この2つについては、いちばん盛り上がっているところなんですが、表現的にきつめな表現になっている印象です。世間から、だから移住者が寄り付かなくなる、衰退する理由もわかる、表現が上から目線などという批判が出ているということなんです。
とくに第4条は、移住者に価値観を押し付けないでという価値観を逆に押し付けているという、なんとも矛盾したメッセージになっちゃっています。
しかも都会風というのは何を指すのか、都会ぐらしのどんなことが持ち込まれていて、それが彼らの生活に悪影響を与えているのかがかなり気になります。
七か条が作られた経緯
この七か条が作られた経緯としては、集落の昔からの行事とか雪かきや草とりなど、移住者に参加を拒否されたり、町内会費の支払いについて払う必要があるのかといったトラブルがあったということが経緯としてあるらしいです。
そういう相談を受けて、町内に33ある集落の区長でつくる区長会が提言としてまとめたのがこの七か条です。
広報誌に掲載した池田町の総務財政課課長は、後悔や誤解からのトラブルを防ぐために、町のスタンスを“ありのまま”伝えようとしたとおっしゃっています。
ここまでは各ニュースで報道されている内容です。
東京から糸島に移住した僕の意見
ここからは昨年4月に東京から糸島に移住した僕の意見としてお話をします。
まず正直に言うと、移住検討をしている状態ならば、池田町は検討候補から外れるよねとは思います。
自治体として協力がないと生きていけないというのは確かに理解はできますし、そこは移住先の魅力とバランスで決まるんですね。
特にやっぱり第4条、新しく入ってきた人たちの価値観を受け入れることはないというスタンスがはっきり示されているので、どれだけ移住先として魅力があったとしても受け入れられないのはしんどいなと感じます。
でも逆にそうやって、よそ者の価値観を認めたくないというのであれば、ありのままに伝えてくれるほうが、うっかり移住しなくて済むので、逆にありがたいとも言えるかなと思います。
移住は2ステップで考えていた
僕のケースの糸島への移住でいうと、今はわりと住宅地に住んでいて、いわゆる山の中で家がポツポツしかないというエリアではないんです。
みんな挨拶もしますし、自治会の集まりはあるんですけれど、そこに強制力はありませんし、ある程度ドライさがある関係性です。
正直、隣人づきあいでいえば、池田町よりも以前住んでいた東京板橋区のほうが近いなという感じです。
確かに自然のど真ん中でポツンと一家屋のようなthe田舎暮らしも魅力はあるけれども、もともといきなりそういう集落に飛び込むのはリスクあると感じてたんですね。
ひとつはインフラの問題もありますし、もうひとつは、やはり人間関係の懸念があるわけです。
なので、住宅街にいったんしばらく住んでから、そこを拠点に糸島市のいろいろな地域と人たちに触れて、より魅力的でわりとリスクなさそうな良い物件があれば、また引っ越しという2ステップ方式でもともと考えていたんです。
なので今回の池田町の話題と盛り上がりを見る限り、この選択は悪くなかったかなと思います。
池田町に住んでいる人たちの視点で見る
一方で池田町に住んでいる人たちの立場で考えてみます。
池田町、15年で人口は1000人くらい減っているんです。高齢化率は現在45.18%でこれもどんどん上がっています。
計算するともともと15年前は3300人いたので毎年70人くらいずつ減っているわけです。
この勢いだと、30年後には町自体がなくなるような感じです。
母数からすると減少の勢いがかなり激しいなということで、過疎の進行は深刻だと思わざるをえません。
数字としてはおそらく池田町の皆さん理解されていると思うので、人口減少を止めるよりは、これまで長年守ってきたやり方とか、価値観を守るほうを優先しているということなんだろうなと思います。
移住と越境学習
この話は越境学習と結び付けると面白いなと思います。というのも僕自身はオンラインコミュニティに越境していただいてDX人材を育成するというプロジェクトを進めています。
越境することで固定観念を揺さぶられて多様な価値観を持ったりすることができるようになると言われています。
今、都会から田舎へ一定期間移住したりとか出かけていって越境学習をするというのはふつうにあるのですけど、固定観念を揺さぶるとか多様な価値観を持つべきは田舎も同じではないかと思うわけです。
なので、むしろ田舎から都会への越境学習とか、田舎どうしの越境学習とかやってみたら、けっこう面白いんじゃないかなと思います。ぜひ事例があったら見てみたいと思います。
まとめ
ということで、今日はVoicy「スキルアップラジオ」の放送から「移住者は「都会風を吹かさないよう」正直すぎる七か条」をお届けしました。
今日は田舎への移住についてお話をしました。
まとめると、田舎への移住は2ステップでやるのがいいんじゃないかなと思いました。
本編のほうで越境学習について触れたんですが、まさにビジネスのほうでも今、悩みとして持っているのが、越境したほうがいい人がけっこういても、その人にいかに越境学習してもらうか問題があります。
もともとそういう方はわりと固定観念に凝り固まっていて、新しいことは必要ないよという姿勢を取りがちなので、そういう人たちにいかに参加してもらうかが課題です。そのへんも今年あの手この手でトライしながら研究していきたいなと思います。
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では、また。