みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
GASの新IDEで「詳解! Google Apps Script完全入門 [第2版]」を読み進める際のいくつかの変更点が出てきましたので連載形式でまとめています。
前回の記事はこちら。
「21章 イベントとトリガー」についてお伝えしました。
今回は、いよいよラストの「23章 ライブラリ」についてお伝えします。
では、行ってみましょう!
23-1 ライブラリを使用する
P562: ライブラリを追加する
新IDEでは、ライブラリの追加の手順も変更になりました。
ライブラリの追加は左メニューライブラリの「+」から進めます。
「ライブラリの追加」というダイアログが開きますが、ここで重要な注意点があります。
ライブラリの検索の際、旧IDEではライブラリの追加の際「プロジェクトキー」「スクリプトID」のいずれかで検索可能でした。
しかし、新IDEでは「スクリプトID」のみで検索可能と変更されました。
拙著では、P563ページでライブラリ「Hello」の追加について、プロジェクトIDを紹介していますが、新IDEではプロジェクトIDではライブラリの追加ができないのです。
ライブラリ「Hello」のスクリプトIDは以下になりますので、こちらをご使用ください。
1U81fRGYRWq-0yEJgtMIMMfxa-UrMSg03gOf99tzspsZXxt7ScZPjmIs2
以下、「ライブラリの追加」画面ですが、以下手順で進めてください。
- スクリプトIDを入力して「検索」
- 「バージョン」を選択(「1」でOKです)
- IDは「Hello」のまま「追加」
追加すると、以下のように「ライブラリ」の箇所に「Hello」ライブラリが追加されます。
新IDEでは、追加されたライブラリがエディタ上でパッと把握できるようになりました。
23-2 ライブラリの作成
P566: ライブラリを作成する
ライブラリを独自で作成する手順も、新IDEによって変更になりまりました。
また、5章についてお伝えしている通り、ドキュメンテーションコメントについても修正しておいたほうが良さそうです。
ライブラリ「MyLibrary」のスクリプトである、サンプル23-2-1ですが、以下のように作成しましょう。
/** 人を表すクラス */
class Person {
/**
* Personオブジェクトを生成する
* @param {string} name - 名前
* @param {number} age - 年齢
*/
constructor(name, age) {
this.name = name;
this.age = age;
}
/**
* あいさつ文をログ出力する
*/
greet(){
console.log(`Hello! I'm ${this.name}!`);
}
}
/**
* Personクラスのインスタンスを生成して返すファクトリ関数
*
* @param {String} name - 名前
* @param {Number} age ー 年齢(既定値は0.1)
* @return {Person} 生成したPersonオブジェクト
*/
function createPerson(name, age) {
return new Person(name, age);
}
/**
* 税込み価格を返す関数
*
* @param {Number} price - 価格
* @param {Number} taxRate - 税率(既定値は0.1)
* @return {Number} 税込価格
*/
function includeTax(price, taxRate = 0.1) {
return price * (1 + taxRate);
}
P569: ライブラリのバージョンを作成する
P568からお伝えしている、ライブラリの公開範囲の設定については、「他のユーザーとこのプロジェクトを共有」アイコンから行えばOKです。
しかし、P569からのバージョンの作成は、新IDEでは、ウェブアプリやAPI、アドオンと統一された手順になり、以下のように進める必要があります。
ライブラリをデプロイする
では、ライブラリのデプロイをしていきましょう。
まず、「デプロイ」をクリックし「新しいデプロイ」を選択します。
すると「新しいデプロイ」というダイアログが開きますので、「種類の選択」の歯車アイコンをクリックし、ドロップダウンから「ライブラリ」を選択します。
続いて、「説明」にバージョンの説明を入力して「デプロイ」です。
ここで、「説明」にうっかり日本語を入れたくなりますが、だめです。
日本語入れちゃうと、ライブラリ導入時にそのバージョンが認識されないようですので…半角アルファベットで入力しましょう。
次で「完了」をします。ここでデプロイIDや、URLは不要です。
スクリプトIDを取得する
前述のとおり、ライブラリをシェアする場合はプロジェクトキーではなくて、スクリプトIDを使います。
スクリプトIDを取得するには、ライブラリのプロジェクトで、左メニュー「プロジェクトの設定」を開いて「IDs」の「スクリプトID」をコピーします。
バージョンの変更と開発モード
導入したライブラリをクリックすると、以下のようなダイアログが開き、ライブラリのバージョンを変更することができます。
多くの場合、最新のバージョンを選択することになりますし、ライブラリの更新があった場合は、それに応じてこのバージョンを上げる操作をする必要があります。
また、「HEAD(開発モード)」にしておくと、ライブラリの更新が即時反映されます。
これは、P571のMemoで伝えている内容に関連していますので、あわせてご確認ください。
ライブラリの情報確認と削除
ライブラリについて三点リーダーアイコンで開くメニューから情報の確認と削除を行うことができます。
「新しいタブを開く」をクリックすると、以下のようなライブラリの説明を別タブで確認することができます。
なかなかに見づらいですが…
なお、これは開発モードでは見られませんので、いずれかのバージョンを選択している必要があります。
まとめ
以上、新IDEで「GoogleAppsScript完全入門第2版【23章 ライブラリ】」を読むときの変更点についてお伝えしました。
ライブラリについても、スクリプトIDを使うべきとか、バージョンの更新方法とか、いくつかの重要な変更点がありますので、ぜひおさえておきましょう。
新IDEに伴うGAS本の読み方の変更点については、これで以上となります。
ぜひ、新IDEのすばらしい機能を体験していただければと思います。
連載目次:新IDEでGAS本第2版を読み進めるときの注意点
Google Apps Scriptの新しい開発環境(通称「新IDE」)が、2020/12/7から順次提供開始となりました。 本書は、アップデート前の通称「旧IDE」を前提として書いておりますので、新IDEを使っている場合は、いくつか変更された点があります。以下連載形式でまとめていきます。ぜひご確認くだいませ!- 新IDEで「GoogleAppsScript完全入門第2版【2-1 はじめてのGAS】」を読むときの変更点
- 新IDEで「GoogleAppsScript完全入門第2版【2-2 プロジェクトとスクリプト】」を読むときの変更点
- 新IDEで「GoogleAppsScript完全入門第2版【2-3 スクリプトエディタの編集機能(前半)】」を読むときの変更点
- 新IDEで「GoogleAppsScript完全入門第2版【2-3 スクリプトエディタの編集機能(後半)】」を読むときの変更点
- 新IDEで「GoogleAppsScript完全入門第2版【2-4 ログとデバッグ】」を読むときの変更点
- 新IDEで「GoogleAppsScript完全入門第2版【2-5 権限と許可】【2-6 ヘルプの活用】」を読むときの変更点
- 新IDEで「GoogleAppsScript完全入門第2版【3章 基本構文】【4章 制御構文】」を読むときの変更点
- 新IDEで「GoogleAppsScript完全入門第2版【5章 関数】【6章 クラスとオブジェクト】」を読むときの変更点
- 新IDEで「GoogleAppsScript完全入門第2版【7章 JavaScriptの組み込みオブジェクト】」を読むときの変更点
- 新IDEで「GoogleAppsScript完全入門第2版【8章 スプレッドシート】」を読むときの変更点
- 新IDEで「GoogleAppsScript完全入門第2版【16章 Baseサービス】」を読むときの変更点
- 新IDEで「GoogleAppsScript完全入門第2版【20章 プロパティサービス】」を読むときの変更点
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