みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」は、ノンプログラマーがプログラミングをはじめとするITスキルを学び合うコミュニティです。
さて、3月からノンプロ研を用いた越境学習支援サービスを4社の企業にトライアル提供しています。
先日の定例会では、越境学習支援プロジェクトについて、またそれを通してどのように組織や社会を変えていくのかといったお話をさせていただきました。
前回の記事はこちら。
越境学習とは何かということをお伝えしました。
本記事はそのレポートの第2弾。
「ノンプロ研を用いた越境学習支援プロジェクト」とその全貌についてお伝えします。
ちなみに当日の様子は以下、Togetterのツイートまとめもご覧くださいませ。
では、行ってみましょう!
越境学習支援プロジェクトとは
まず、越境学習について復習しつつ、ノンプロ研を用いた越境学習支援プロジェクトとは何かについてお伝えしていきましょう。
越境学習とは、前回の記事でお伝えしたとおり、「ホーム」と「アウェイ」を行き来することによる学習のことをいいます。
その効果として「冒険する力」(=探索しながら、未知なるものと出会い、自らも変化し続ける力)を持つ人材の育成と、組織変容を期待することができます。
そして、「ノンプロ研を用いた越境学習支援プロジェクト」とは、一般社団法人ノンプログラマー協会(ノンプロ協会)が提供する、組織向けに越境学習を支援するサービスで、アウェイとして「ノンプロ研」を用います。
ノンプロ研は、その直接的な参加目的はプログラミングなどのIT系スキルの向上ですが、学び合うという環境の特性上、学ぶ力や教える力を身につけることもできます。
ですから、本プロジェクトに参加した学習者は冒険する力、ITスキル、学ぶ力&教える力の習得、組織については冒険人材の育成と組織変容といった効果を期待できるのです。
今、まさに求められているDXに合致した施策といえるでしょう。
越境学習者は二度死ぬ
さて、越境学習にはなぜ支援が必要なのでしょうか?
企業が主導で社員にノンプロ研参加をうながすだけで良いように思いますし、実際にこれまでにそのような例は少なくありませんでした。
しかし、越境学習には困難なタイミングがあり、「越境学習入門」では、それを以下のように表現しています。
越境学習者は二度死ぬ
なかなか穏便ではありませんね。
越境学習には、二度の困難なタイミングがあり、そこで越境学習活動がうまくいかなくなる可能性が高まるということなんです。
アウェイの洗礼
一度目は、越境をはじめたばかりのタイミングで、私はこれを「アウェイの洗礼」と呼んでいます。
ノンプロ研のメンバーからも、入会直後には、以下のようなモヤモヤ、葛藤を感じるということを、よく聞かされます。
- 大量の情報やツールに溺れ、何をすればいいかわからない
- 行き交う言葉がまったくわからない…
- 参加者がすごすぎて自分なんか不相応と感じてしまう
残念ながら、入会者の中には、まったくノンプロ研の活動に参加することなく退会をされてしまうというケースもあります。
逆カルチャーショック
二度目は、越境学習をしばらくした後に、ホームに対して感じるショックで、「越境学習入門」ではこれを「逆カルチャーショック」と表現されています。
たとえば、ノンプロ研ではコミュニティとして「学習するのが当たり前」「ITを武器として身につけておこう」などという文化が根づいています。
しかし、世の多くの組織では、ITスキルを率先して磨こうなどという人は、決して多くはないという厳しい現状があります。
ノンプロ研で学んだことを、「それはいい」と感じて、いざホームで実践しようとしても、ホームの人々は協力的でなかったり、評価してくれなかったり、場合によっては強く反発をするということも少なくありません。
実際、ノンプロ研メンバーの多くは、このジレンマを抱えています。
そもそも、そのジレンマを解消したいというのが、ノンプロ協会設立の発端となってもいるわけです。
越境学習支援プロジェクトの概要
越境学習支援プロジェクトチームの役割は、この二度のタイミングを、学習者がうまく乗り越えられるように支援することです。
プロジェクトチーム
まず、プロジェクトの開始前に、コーディネーターと伴走者によるプロジェクトチームを組成します。
コーディネーターはノンプロ協会のメンバーで、ノンプロ研に熟知している人たち。ノンプロ研での参加・学習支援、すなわち「アウェイの洗礼」を緩和とプロジェクトの進行を担います。
伴走者は、参画組織側から人選していただくリーダー的な存在で、学習したことのをホームで実践する環境づくり担います。つまり、これにより「逆カルチャーショック」を緩和します。
ただし、越境学習にはある程度の「葛藤」が必要なので、コーディネーターも伴走者も適度な支援を心がける必要があります。
スケジュール
スケジュールは、以下のように半年間をひとつのサイクルとしています。
3ヶ月後に中間報告会、プロジェクト終了後に最終報告会を用意していて、それぞれ学習者のみなさんに中間と最終の成果発表をプレゼンテーションしていただきます。
事前準備や面談については期間中に適宜行いますが、これはトライアルの結果を見て、ブラッシュアップを検討します。
まとめ
以上、「ノンプロ研を用いた越境学習支援プロジェクト」とその全貌についてお伝えしました。
このようにして、みなさんの越境学習の成果が上がるようお手伝いをしております。
さて、もうひとつ重要なポイントとして「広報PRとの連携」という点がありますので、それについて次回お伝えしていきます。
どうぞお楽しみに!
連載目次:ノンプロ研を活用した越境学習プロジェクトとその全貌
2022年3月からいよいよスタートした「ノンプロ研を活用した越境学習プロジェクト」!このシリーズでは、越境学習についてのおさらいをしつつ、明らかになってきたプロジェクトの全貌について紹介します。「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」について
コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」では、毎月の定例会や勉強会、Slackでのやり取りを通して、皆さんのプログラミング学習の質やモチベーションを高めるための活動をしています。 過去の活動については、以下のページをご覧ください。- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2017-2018)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2019)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2020)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2021)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2022)