職場が学び合いに向いていない理由とその1つの解決方法

職場が学び合いに向いていない理由とその1つの解決方法

みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。

リスキリングをしよう!と取り組みはじめても、職場での学習はどうしても孤独な学習になりがちです。

いっぽうで、学習コミュニティ「ノンプロ研」に来ると、メチャクチャアクティブに学び合うことができる。

前回はそのようなことをお伝えしました。

そもそも、なぜ職場では学び合いがうまくいかないのでしょうか?

今日はそのあたりを考えていきたいと思います。

ということで、今回は「職場が学び合いに向いていない理由とその1つの解決方法」と題してお送りします。

では、行ってみましょう!

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職場でコソ勉する日本人

パーソル総合研究所の「学び合う組織に関する定量調査」 では、自身の学習行動を同僚や上司に共有するかどうかの調査がありました。

学び合う組織に関する定量調査 - パーソル総合研究所
持続的に学び合う組織づくりの重要性が改めて問われる中、就業者と組織における学びの実態把握と、組織的な学びを促進する施策検討のための示唆を得るべく、調査を実施しました。

まず、同僚に共有するかどうかという質問の結果はこちらです。

  • 言う: 12.0%
  • たまに言う: 31.8%
  • 言わない: 56.2%

次に上司に共有するかどうかの結果です。

  • 言う: 10.6%
  • たまに言う: 32.4%
  • 言わない: 57.0%

半数を上回るビジネスパーソンが学習することを職場では共有しないと回答をしています。

別の調査では半数ほどが自己啓発などの自主的な学習活動していないと報告されています。つまり、そもそも学習していない人も多いのです。

その上で、職場では共有しない、いわゆる「コソ勉」をしているのであれば、職場の学び合いはもっと少ないといえます。

なぜ職場では学ばない、学び合わないのか

7つのラーニングバイアス

前述の調査「学び合う組織に関する定量調査」の中では、職場には学びに悪影響を及ぼす固定観念が根付いてしまっており、それを「ラーニングバイアス」と呼んでいます。

ラーニングバイアスを、さらに7つに分類しています。

たとえば、学ぶことは新人や若い人だけがするものだという「新人バイアス」、学習は学校で行うべきものでそもそも職場は学ぶ場ではないという「学校バイアス」などです。

これらラーニングバイアスがあるために、職場で学ぼうとは思わないということになります。

学びを隠す理由

また、「なぜコソ勉をするのか?」という質問に対しても、興味深い回答が寄せられていました。

現場で目の前の業務遂行に必要なこと以上のスキルや知識を学ぶことに、以下のようなおそれを感じているのです。

  • 裏切り行為と思われてしまう
  • 暇だと思われてしまう

上下関係は学び合いに向かない

米国の教育学者ジャック・メジロー「成人学習論」と題して、大人の学びを研究してきました。

子どもの学習と大人の学習は異なると説いています。

子どもの学習は、0から1を形成する、積み上げ方の学びであり「形成的学習」と呼びました。

一方で、大人の学習は、自分の過去ややってきたことを批判的、反省的にとらえる必要があり、変わるということが要求される「変容的学習」だとしました。

つまり、子どもの学びと異なり、「大人の学びには痛みが伴う」ということです。

それでいうと、職位が上の人ほど、経験を積み、そしてプライドも大きいでしょうから、自らの無知・無理解と向き合うのには、よりいっそうの痛みが伴います。

現場の若いみなさんと肩を並べて学び合うというのは、とてもハードルが高いことと感じられることでしょう。

職場で学べないのなら他の環境「実践共同体」で

このように、職場というのは、慣習的、文化的、仕組み的にそもそも学びに向いていない環境といえます。

そこで無理して、職務以上のことを学ばせたりしようとする、企業主導のリスキリングはなかなかうまくいかないのは納得できる話です。

実践共同体とは

そこで出てくる画期的なアイデアが「実践共同体」です。

これは、エティエンヌ・ウェンガーという人が提唱した概念で、「実践コミュニティ」や「コミュニティ・オブ・プラクティス」などとも呼ばれます。

会社組織では学びが促進されないのであれば、それとは別の学びに特化したコミュニティを別につくり、そちらで学習活動をすればいいという考え方です。

ノンプロ研は実践共同体のひとつといえます。また、社内で活動している勉強会、社内大学、サークルなども実践共同体です。

実践共同体をつくるメリット

学び合う場として実践共同体をつくるのには大きなメリットがあります。

まず、既存組織の文化、慣習、仕組みに引きずられることなく、一から小さく、学習に特化した環境をつくれるということです。

一方で、既存組織の構造・しくみ・ルール・慣習を変更する必要はありません。

実践共同体のスタートのハードルはとても小さいですが、学習という目的に特化しているので成功させやすいのです。

DXやリスキリングを進めるのであれば、どうしても学びは必要になります。それを効果的に進めるための実践共同体、社内外にコミュニティをつくるのが良いのではないかと考えています。

まとめ

以上、「職場が学び合いに向いていない理由とその1つの解決方法」についてお伝えしました。

引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。

次回は学習コミュニティを語る上で参考になる理論「実践共同体」について紹介します。お楽しみに!

この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!

連載目次:学習コミュニティをつくろう!

リスキリングやDXを推進するのにめちゃくちゃオススメなのが「学習コミュニティ」をつくること。このシリーズでは、ノンプロ研の圧倒的事例と「実践共同体」の理論をベースに、熱量高く、楽しく持続する学習コミュニティのつくりかたを紹介します。
  1. 職場では学び合わない日本人…でもコミュニティならメチャクチャアクティブ
  2. 職場が学び合いに向いていない理由とその1つの解決方法
  3. 学習コミュニティづくりをはじめるなら知っておきたい実践共同体のこと
  4. うまくいく学習コミュニティをつくるために知っておきたい「実践共同体っぽさ」とは
  5. 学習コミュニティで良質な学びを多く得るためにはどうすればいい?
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