みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。
学習コミュニティで価値ある活動を続けるために、時間やモチベーションといったリソースのやりくりが大事ということを前回お伝えしました。
それとともに重要になってくるのが、どのような指針で運営するかということ。
今回は、運営の指針をどう設定すればよいかについて考えます。
ということで、今回は「KPI疲れに要注意!学習コミュニティの目指すべき方向とは?」についてお伝えします。
では、行ってみましょう!
学習コミュニティは何を目指すべきか?
学習コミュニティを成功させるためには、リソースの使い方がとても重要です。特に、時間とモチベーションをどう維持するかが鍵となります。
しかし、続けるのは良いけれども、どこを目指していけばよいのか、その指針がないと元気よく運営しづらいものです。
「領域」=テーマを明確にする
そこで、ひとつ思い出されるのが、学習コミュニティ、つまり「実践共同体」を構成する3つの要素、「領域」「実践」「共同体」です。
このうち、「領域」は、つまり学ぶテーマであり、メンバーに共通する課題や問題のこと。これがひとつの指針になります。
例えば、ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会では、「ノンプログラマーがデジタルスキルやプログラミングを学ぶ」が目的です。
また、その課題は、「ノンプログラマーがそうした学びの機会に恵まれていない」というもの。
テーマと課題、つまり領域が明確で、しっかり言語化できていると、コミュニティの運営がとてもしやすくなります。
集まるメンバーも、同じ認識で活動することで、活動の上で「なんかちょっと違う」といった認識のズレを防ぐこともできますし、それぞれの方向性が揃うので、活動のエネルギーが倍増します。
KGIを設定する
領域の設定とともに、言語化をしておくとよいのが「KGI(Key Goal Indicator)」です。
KGIとは、経営目標達成指標のことで、設定をしておくと、コミュニティの活動をする中で、なんらかの意思決定が必要になったときに頼りになります。
たとえば、ノンプロ研でいうと「メンバーがコミュニティ内外で価値を提供する総和を最大化すること」としています。
具体的には、例えば以下のような活動が価値提供にあたります:
- コミュニティで得たスキルを使って、自社の業務に貢献する
- コミュニティ内で他のメンバーの質問に回答する
- 学んだ内容をツイートやブログでシェアする
- イベントを企画し、開催する
- 自社メンバーに学んだことを教える
「価値」なので、数値で定量的に測れるものではないですし、「最大化」なのでゴールもありません。
でも、これを言語化しておくことで、いろいろな局面で必要となる判断を素早く自信を持ってできるようになっています。
KPIとKPI疲れしないための注意点
ビジネスの文脈でいうと、KGIとともに、「KPI(Key Performance Indicator)」もよく使われます。これは、KGIを分解して、より具体的に、かつ、中間的な目標を設定するもので、評価を助けるものです。
たとえば、「メンバーがコミュニティ内外で価値を提供する総和を最大化すること」であれば、以下のような項目がKPIとして考えることができます:
- コミュニティへの参加人数
- イベントの開催回数
- イベントの参加人数
- メンバー同士のつながりの数
社内コミュニティである場合、こうしたKPIを目標として達成するということが求められることがあるかもしれません。
でも、はっきり言って、やめたほうがいいと思います。
KPIを設定し、その達成を要求するような仕組みがあると、コミュニティ運営はうまくいかなくなる可能性が高まります。
というのも、学習コミュニティの良さの多くは、数値化できないものです。学びの深さ、内面的な成長、価値観の変容、意欲、学ぶことの楽しさ、暗黙知の共有や蓄積…など、ほかにもたくさんあります。
こういった、数値化できないコミュニティの価値がいっぱいあるのです。
もし、KPIの数値ばかりを追いかけるようになると、数値化できない重要なことの優先度が下がり、学びの楽しさや意欲が失われてしまうかもしれません。それは非常にもったいないことです。
では、どうやって活動を評価すればいいか…それは、肌で感じることです。
上司の立場でコミュニティを評価しなければいけないのであれば、ぜひ自ら参加して、どのような価値が行き交っているかを感じてみてください。そうでないとわからない価値がたくさんありますから。
まとめ
以上、「KPI疲れに要注意!学習コミュニティの目指すべき方向とは?」についてお伝えしました。
引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。次回をお楽しみに!
この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!