みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
今年はオンラインで開催されております、Google Cloudのデジタルイベント「Google Cloud Next ’20: OnAir」のレポートをシリーズでお伝えしております。
前回の記事はこちら。
Google Meetの新機能やロードマップについてお伝えしました。
ガラリと話題を変えまして、今回は「G Suite Developer Platform」がテーマです。
Google CloudのDeveloper Advocate、Charles Maxsonさんによるブレイクアウトセッション「G Suite for Developers: Build, Extend, and Grow Your Business with the G Suite Developer Platform」から、G Suite Developer Platformの主要なコンポーネントと今後のロードマップについてお伝えします。
では、行ってみましょう!
G Suite Developerとその機会とは
G Suiteは、Googleとサードパーティによるさまざまなサービスにより、チームがコンテンツの作成、コミュニケーション、共同作業、検索ができるインテリジェントなワークスペースだというのは既知の通りです。
しかし、それだけでなく、G Suieは開発者がソリューションを構築してよりチームの生産性を高めることができる拡張可能性を備えています。
そのために、開発者に用意されているプラットフォームが、G Suite Developer Platformということになります。
今、G Suiteは600万を超える組織で、20億人のユーザーが使用しています。
サードパーティデベロッパーであれば、そのプラットフォーム上にアプリを提供すれば、それらユーザーにリーチすることができるわけです。
社内でソリューションを構築する場合、システムをスクラッチから構築する必要はなく、投入までの時間を短縮し、コストの低減を期待できますし、世の中で公開されている多数の事例も参考にすることができます。
G Suite Developer Platformの主要なコンポーネント
その、G Suite Developer Platformの主要なコンポーネントとその
G Suiteアドオン
G Suiteアドオンは、G Suiteで横断的に使用できる拡張機能で、現在はGmail、カレンダー、ドライブで使用できます。
右側のバーに、カレンダー、Keep、ToDoリストのアイコンが並んでいますよね?それです。
ユーザーは、G Suite Marketplaceから好きなアドオンを追加することができ、追加すればGmailとカレンダーのスマホアプリでも同じ機能を使用可能です。
G Suite Marketplaceは以下から閲覧可能です。
G Suiteアドオンの開発
この、G Suiteアドオンは以下の手順で開発をしてマーケットで公開することができます。
- Cardsサービスを用いたApps Scriptのプロジェクトを作成
- G Suiteアプリ、エントリポイント、スコープを設定
- アプリケーションを提出しレビュー、配布
マーケットで公開せずとも、ドメイン内のみで配布することも可能です。
詳しくは以下をご覧ください。
GASの基礎をマスターしていて、ある程度の経験がある方ならチャレンジできると思います。
G Suiteアドオンの新機能とロードマップ
新機能として「Alternate Runtimes」の紹介がありました。
これは、Apps Script以外のJSONを返せる任意の言語からHTTP経由でG Suiteアドオンのカードをレンダリングするという機能です。
ノンプログラマー的には難しそうですが、他の言語を使用している開発者にとっては有効なものと思います。
ロードマップとしては、以下が発表されました。
- Gmail compose-time actions: Gmailのメール作成ウィンドウ内からのアクションを表示する
- Gmail send-time actions: Gmaiのメール送信時にアクションをする
- ドキュメント、スプレッドシート、スライドへのG Suiteアドオン
3つ目が大きいですね。G Suiteアドオンが横展開をするので、面が一気に増えますね。
そして、おそらくスプレッドシート、ドキュメントなど各サービスに特化したアクションを行えるようになっていくというのが期待できますね。
そうなると、HTMLベースのEditorアドオンの優先度が少し下がることになるのかも知れません。
Chat bots
Google ChatにBotとして、Chat botsを導入することができます。
最もシンプルかつ有効なのは、通知ですよね。何らかの情報や更新を自動で受け取ることができるようになります。
Chat botsは自社開発もできますし、サードパーティ製のものをbotカタログから導入することもできます。
Chat botsのロードマップ
Chat botsについては以下のロードマップが提示されていました。
- Slash commands
- Dialogs
- Bots in DM
スラッシュコマンドやダイアログについては、Slackでは先行している機能ですよね。
Chat botsについては、それにまずは追いつこうというところですね。
Apps ScriptとG Suite API
Apps ScriptはGASともいいますが、JavaScriptベースのG Suite開発環境です。
G Suite開発の民主化を促進する最大の立役者といってもよく、ノンプログラマーでもアプリケーションの開発を素早く行うことができます。
また、他の言語を用いたい開発者であれば、G Suite APIを用いて独自のアプリケーションの構築を行うことも可能です。
Apps Scriptに関してのロードマップについては、新IDEの発表があったのですが、本セッションでは触れられていなかったので別記事にてお伝えします。
まとめ
以上、「G Suite for Developers: Build, Extend, and Grow Your Business with the G Suite Developer Platform」から、G Suite Developer Platformの主要なコンポーネントと今後のロードマップについてお伝えしました。
普段、ノンプログラマーでいうとGASの領域ばかり見えていますが、その一回り大きい領域を知ることができたのではないでしょうか。
G SuiteアドオンやChat botについては、一定のスキルが必要ですが、機会をみてぜひチャレンジしてみてください。
次回は、ノーコード開発プラットフォームAppSheetについてのセッションをレポートします。
どうぞお楽しみに!
連載目次:ノンプログラマーのための「Google Cloud Next '20: OnAiro」まとめ
2020/07~09にかけて開催されたGoogle Cloudのデジタルイベント「Google Cloud Next 2020: OnAir」。その中から、ノンプログラマー向けにおすすめ情報をレポートしていきます。- Google Cloud Next ’20: OnAirとそのノンプログラマー的な楽しみ方
- 未来のワークスペースのためのG Suiteのビジョン
- Google Meetの未来とビジョンそしてロードマップについて
- G Suite Developer Platformの主要なコンポーネントと今後のロードマップ
- AppSheetを使ったノーコードアプリで生産性を高める方法
- G Suite全体に組み込まれている数々のAI機能についてたっぷり紹介します
- G SuiteをMicrosoft Officeや他のアプリケーションと一緒にうまく使う方法
- どこからでもチームワークが可能となるG Suiteのコラボレーションとそのビジョン
- G SuiteのGmail、Chat、Meetなどによるコミュニケーションとその未来
- G Suite Essentials~チームがどこからでも安全に共同作業を行うための最も簡単な方法
- Google Apps Scriptのエディタが刷新…新IDEが登場します!
- Google CloudのBusiness Application Platformとは、その全貌について
- AppSheetに組み込まれているAI/ML機能と今後のアップデートについて
- AppSheetを用いてデスクレスワーカーの仕事をデジタル化する方法