みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
さて、読みました「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」!
日本国民全員読むべき必読書です。
だいぶ前に読んでいたのですが、あまりにも伝えたいことが多すぎて書評にまとめるのに時間がかかってしまいました…。
本記事を含めていくつかのテーマに切り分けて書評を書きたいと思います。
今回は「個人の生存戦略」です。
いま起きている経済の変化と、テクノロジーの進化で、個人がとるべき生存戦略も変わってくるということなのですが、自分の活動も踏まえてお伝えできればと思います。
価値とお金の逆転現象
サラリーマン時代で順風満帆だったころは、あまり意識はしていなかったのですが、ブラック企業に入ったり、独立をしたりすると、既存の経済や会社の「おかしな点」に目が行くようになりました。
それは
- 価値が低いのに、お金を稼げてしまう仕事がある
- 価値が高いのに、お金を稼げない仕事がある
という点です。
価値を見える化して交換可能にしたものが「お金」なわけですから、理想からいうと価値があることをしたらお金が儲かっていいはずなんです。
でも、それがどうやらおかしい…
ダラダラしたほうが給料が高い
いくつか例を挙げます。
わかりやすい件でいえば、昨今話題の残業の話があります。
多くの会社で起きてしまっている現象ですが、生産性の高い人よりも、生産性の低い人のほうが給与が高くなるという、実際の価値との逆転現象が普通に起きてしまいます。
おわかりと思いますが、残業代という仕組みです。
本来は生産性を可視化して、それを評価に反映すべきですが、「労働時間」しか可視化できていない企業ではそうなっちゃいます。
仕事をダラダラやっているほうが儲かっちゃう場合があり、それがわりと多いのです。
おかしいですよね?
ピンハネが提供する価値って?
また、IT業界でいうと「ピンハネ」というのがあります。
クライアントが業者に発注した要件を、そのままさらにその下請けに丸投げをするのですが、中間業者がほとんど何もしないのに一定のマージンをとるというやつです。
当然、営業コストがかかっているのだというかも知れませんが、そしたらそれは、例えば「適切な業者を選定した成果」として見積に乗せるべきで、開発費からパーセンテージでマージンとるべきではないですよね。
だって、開発自体には何の価値提供もしていないわけですから。
かつ、その場合
- 伝言ゲームがうまくいかない
- 末端のエンジニアにダメなPCや狭いデスク、スーツ着用などの環境を与える
- 過酷な労働を強いる
など、生産性の低い状態であればあるほど業者が儲かってしまうという現象が起きることがあります。
なぜなら、開発案件は「工数」で握ることが多いので、工数が膨らめば開発費が膨らむ、結果としてパーセンテージでとっているマージンも膨らむというカタチです。
闇ですよね。
こんなんやってて日本のIT市場…成長するわけないですよね。
ちなみに、弊社では直接の案件以外は請けないようにしています。
「お金2.0」は世の中のマニュアル
他にもそういう事象はたくさん見つけることができます。
自分は独立以降は価値の低い仕事やらないようにしようと割り切っていますが、なぜこういう価値とお金の逆転現象が起きるのか、不思議に思っていました。
その答えをくれたのが、今回読んだ「お金2.0」です。
私は、読んだとき、このような感想を持ちました。
お金2.0、すごい本だった…!
トークンエコノミー、資本経済がなんかズレてきてる感、タイムバンクをはじめた理由、なぜGoogleやFacebookが慈善事業するのか、お金とは何か、価値とは何か、そういったことが全部キレイに説明されています。
経済、というよりは、世の中の説明書とも言えるかも…
— タカハシノリアキ@パーフェクトExcelVBAは11月発売予定 (@ntakahashi0505) December 18, 2017
この本は、経済とは何か、お金とは何かを、解き明かしてくれながら、今その在り方が急激に変わりつつあること、そしてその変化の後に起こりうる状態と、それをどう渡り歩くかということについて、理路整然と整理してくれています。
260ページくらいなのですが、ものすごい整理されて書かれているので、密度が非常に濃い。
ワードは簡単なので、ガンガン読めますが、読後感としては1000ページの分厚い本を読んだような知の積み上げがあります。
必読書です。そして、今後何回も読むことになるでしょう。
価値とお金の逆転現象が起きてしまった理由
さて、「お金2.0」は前述の私の疑問については、このような解を与えてくれました。
資本主義の発達でお金の影響力がどんどん強くなり、人々が感じる価値とはかけ離れて増殖していきました。本来は人々が感じる価値があるからこそ、お金になるはずが、世の中の人が感じる価値とは関係ないところでお金だけが増えるようになりました。
お金と価値の関係はどんどん薄くなっていきます。お金は価値を置き去りにしてしまい、今はそれに疑問を感じる人が増えて真逆の方向への揺り戻しが起きています。
もう、ズバリ過ぎて快感すら覚えます。
この「揺り戻し」のわかりやすい例として、昨年話題になった「Welq問題」を思い出しました。
以前こんな記事を書いています。
その中で
本来、誰かに何かの価値提供をすることで、その見返りとして対価を受け取るといのがビジネスの基本のはずです。
前述のキュレーションビジネスのモデルでいうと、その「価値提供」はどこにあるのか?ということが気になります。
怒ってますね…私。
でも、現状を冷静に分析すれば、お金と実際の価値がズレてきてしまっているわけで、起こりえる現象なのですね。
しかし、ご存知の通り、このサイトはネット上で大いに話題になり、つまり炎上して、最終的には閉鎖をせざるを得なくなりました。
「揺り戻し」が起きたわけです。
テクノロジーが様々な価値を「お金化」する
もう一つ、明るい材料があります。
それはテクノロジーの進化です。それによって、以下のようなことが起きています。
お金が価値を媒介する唯一の手段であったという「独占」が終わりつつあるということです。価値を保存・交換・測定する手段は私たちがいつも使っているお金である必要はなくなっています。
例として、Googleが挙げられています。
2016年度は売上8兆円・利益2兆円で、数字だけ見るとこれより大きい会社は日本にもあります
ですが、時価総額を見るとご存知の通り、Appleと世界トップを争う規模。どの日本企業もはるかに引き離されるという評価です。
この理由の一つが「データ」です。
Googleが保有している「データ」という価値は、その気になればもっとお金に換金できるが、あえてしていないともとれるというわけです。
他にもSNSで注目、興味、関心という価値が可視化されるようになりましたし、クラウド会計を使っていれば信用を判断することができます。
このように、テクノロジーのおかげで、お金以外の色々な形で価値を蓄積しておくことに意味が出てきた、ということになります。
これからの「個」の生存戦略
さて、時間労働、終身雇用を前提として、会社に入れば安心そして幸せ、そういう時代ではなくなってきているのは、強い予想から事実になりつつあります。
つまり、我々はどういう生存戦略を描くべきかという問題をぶつけられている状態です。
しかし、前述の通り、お金と実際の価値には差異が出てきていてその揺り戻しが起きている点、テクノロジーの進化によりお金以外の価値が意味を持ってきている点からすると、価値を積み重ねておくということが鍵となり、また
人間の内面的な価値に関しては、現在の資本主義の枠組みでは上の世代が認識しにくく、ここには大きなチャンスが存在しています。
ということになります。
ブログは価値を蓄積する安全地帯
さて、ブログの話です。
ブログには凄まじい価値があるよ~ということをずっと言い続けてきました。
その点も「お金2.0」のおかげで、さらにキレイに説明ができるようになりました。とってもありがたいです。
それはこういうことです。
当ブログですが、AdSenseはBANされているし、相性のいい高額なアフィリエイト商品もない。
しかも、ターゲットユーザーは仕事中に会社のPCから見ていることがほとんどわけですから、横道にそれてお買い物なんてしません。
マネタイズのしづらいことしづらいこと…
ですが逆に、そのマネタイズがしづらい点が、強固な自分だけの安全地帯を形作っています。
なにせ、1記事数時間、それを700記事書いたら、何人月ですか?
ですから「ヒヨウタイコウカ」というワードが頭をよぎったら最後、やってられないのです。
多くの企業はそうでしょう。ちゃんとした大きな企業ほどやれないでしょう。
だから、ライバルが入って来づらい。広大なブルーオーシャンを縦横無尽に泳ぎ回ることができています。
そして、3年かけて以下のような形で価値を積み上げてきています。
- ブログ記事というカタチのデジタルコンテンツ
- Google検索エンジンのインデックス
- ファンとのつながり(Facebook425件、Feedly636件ほか)
- 書くスキル、書いた内容に関するスキル
まあ、これがすぐにお金に換えられるかと言ったら、なかなか難しい。同じことを後から追っかけようと思っても超大変。
でも、だからこそライバルが入ってこない。
ブログ以外に価値を蓄積できる場所
ブログ一本でもいいのですが、他にも手を出したほうが有効かなと思っています。
というのも、内容が一緒であったとしても、チャネルとコンテンツの形を変えると、別のターゲットや別の価値を提供できるからです。
また、複数に分散して価値を積み重ねたおいたほうがリスクも回避できます。
色々あるのでしょうが、私の場合は以下の二つに注目しています。
書籍
ブログ以外に価値を蓄積する場所としては、まず「書籍」がありました。
体系的に物事を伝えるにはものすごく良質な形式だと思います。1記事で人の人生を変えるのは難しいですが、1冊でならありえそう…そう思います。
そして、本屋さんにも並ぶので、別のターゲットに出会うチャンスが生まれます。
また、自分にとっては「印籠」のような役割にもなりますし、印税というカタチで直接的なお金も生み出してくれる、非常に有意義な活動だと思います。
書籍自体はテクノロジーは関係ありませんが、Amazonなどのネット通販サイトのおかげで、その人気は可視化されるようになりましたし、SNSでシェアすれば共感を得ることもできます。
動画
あと、注目しているのは「動画」です。
YouTuberはもう一般的に認知されている職業になりました。
テキスト+画像では伝えられない情報、つまり姿や動き、声、話し方なども情報として伝えることができるようになります。
そして、今後はYouTubeで検索する人も増えるでしょう。
こちらも日々の積み重ね系なので、なかなか習慣化するのは大変です。
ですが、それは「安全地帯」であることを意味しています。
最初の一歩は気合が必要ですが、こうして書くことで気合も入るというものです。
まとめ
当然、生活をしていくために一定のお金は稼がなくてはいけません。
ですが、もし余力があるのであれば、ライバルの多いレッドオーシャンに突っ込んで価値が下がりつつあるお金を稼ぎにいくよりも、ライバルのいない領域に実質的な価値をじゃんじゃん積み重ねていったほうが、生存戦略としては正しいのです。
そして、それができるのは個人です。
お金に強く依存せざるを得ない会社では、今すぐにお金に変わらない活動はしづらいからです。
以上、「お金2.0」から見るお金、仕事、個人の生存戦略についてでした。
この本に関連して、まだ言いたいことがありますので、それは後日記事にします。
「コミュニティ」についてです。