社会実装とは何か、そしてITで活躍するノンプログラマーの社会実装を考える


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みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。

さて、前回は以下の記事で起業6年の成果と課題についてお伝えしました。

ノンプログラマーが起業して6年経ち、その成果とモヤモヤをお伝えします
独立してから6年が経ち、この6月から株式会社プランノーツは7期目に入りました。近況として、ノンプログラマーとして起業して6年、良い成果もありますが、大きな課題も見えてきました。ノンプログラマーが起業して6年経ち、その成果とモヤモヤをお伝えします。

お伝えしたとおり、今のアクションでは弊社のミッションである「日本の『働く』の価値を上げる」を達成できないのでは、という強い課題感がありました。

そんなモヤモヤをしていた日々…

そこに光明を指す、こちらの書籍と出会いました。

今回は、この書籍が紹介する「社会実装」とは何か、またそれを用いて、どのように弊社の課題を解決していくつもりなのかについてお伝えします。

題して、社会実装とは何か、そしてITで活躍するノンプログラマーの社会実装を考えるです。

なお、こちらの記事は、コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の定例会でプレゼンした内容でもあります。

その際の以下、Togetterのツイートまとめも合わせてご覧くださいませ。

ノンプロ研定例会Vol.47「ノンプログラマーの未来を実装する」
名ばかりのDX、IT介護、隠れキリシタン問題…ノンプログラマーの取り巻く環境は依然として良いとはいえません。そんな、ノンプログラマーの取り巻く社会をいかにして変えていくか!?「社会の変え方」を説く..

では、行ってみましょう!

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ITで活躍するノンプログラマーの社会実装

社会実装とは何か

皆さんは、「イノベーション」という言葉からどのようなものを連想しますか?

たとえば、電子マネーはPayPayやSuicaをはじめ、このところようやく浸透してきた印象がありますね。

また、UberやDiDiをはじめとするタクシーライドシェアは、各国で既存モデルを「ディスラプト」した例としてよく紹介されますが、日本では未だ浸透せずにいます。

本書「未来を実装する」によると、これらイノベーションが社会に浸透するためには、技術的イノベーションだけでは不十分で、それを受け入れられるような制度・組織・慣習といった社会のしくみの変革も合わせて必要であると伝えています。

必要な2つのイノベーション

そして、社会実装とは、「技術で社会を変えようとする営みに加えて、技術が活用されるように社会を変える営み」のことをいいます。

社会は変えられる

日本はデジタル技術の社会実装が遅れているとよく言われています。

本書では、「日本の社会実装に足りなかったのは、技術面ではなく社会の変え方のイノベーションのほうだった」という調査結果が示されていました。

そして、その「社会の変え方」については、NPOをはじめとするソーシャルセクターが本分としてきた領域で、その方法論が有効である、と。

私はちょっと衝撃を受けました。

「社会に変え方がある」ということにです。

この書籍はそれをもとに「技術による社会の変え方」を提示する教科書でした。

ITで活躍するノンプログラマーの社会実装をしよう

さらに、私はこう思いました。

「これは、ノンプログラマーを取り巻く環境にも有効なのでは?!」

たとえば、ルーチンワークをVBAやGASで自動化して、余った時間をより価値の高いものに割り当てる…これ自体は、技術的にはもちろん可能な話ですし、理にかなっています。

しかし、前回お伝えした通り、社会実装がなされているとはいえません。

必要なのは、それを受け入れる制度・組織・慣習など社会のしくみの変革なのでは?と。

こうして、本書をもとに「ITで活躍するノンプログラマーの社会実装」についての思考実験を開始しました。

社会実装のための

社会実装のためには、5つの要素が必要です。

  • デマンド: 需要があるかどうか
  • インパクト: 社会のあるべき姿
  • リスク
  • ガバナンス: 法律、制度、慣習
  • センスメイキング: 人々に理解・納得をしてもらい行動をうながすプロセス

社会実装の5つの要素

デマンドはぼんやりしがち

社会に浸透していくためには、当然ながらデマンドつまり需要が必須です。

しかし、日本のような成熟社会では、デマンドはぼんやりしがちです。

なぜなら、多くの課題がすでに解決されていて、理想が描きづらい一方で、人々はある程度満足していて、変化や新技術を好ましく思っていない人々もいるなどの理由があるからです(本書では7つの理由が示されています)。

インパクトがデマンドを顕在化する

しかし、そのぼんやりしたデマンドを顕在化する方法があります。

それがインパクト、すなわちあるべき姿です。

現状とインパクトを明確に示すことができるのであれば、その差分が課題として浮き彫りになります。

その浮き彫りになった課題を解決したいという欲求が高いのであれば、デマンドを顕在化できるというわけなのです。

現状とインパクトによりデマンドを顕在化する

センスメイキングで人々を動かす

「ITで活躍するノンプログラマーの社会実装」を考えたときに、次に重要な要素は「センスメイキング」です。

ブログ、書籍、コミュニティ「ノンプロ研」の活動でいうと、個人の側では行動を起こす人々は一定数いるという実感はあります。

しかし、その人材を活用し、評価する組織側に、プランノーツとしてはほぼアプローチできていないというのは、前回お伝えしたとおりです。

ですから、そこにその意義を理解してもらい、納得してもらい、行動をとってもらうセンスメイキングのアクションが重要になります。

本書では、実用的なたくさんのセンスメイキングの手法が示されていました。

たとえば、以下のような手法です。

  • ナラティブを共有しさらに誰もがその物語を語れるようにすること
  • 言葉や概念をつくること
  • 白書などを制作しデータを示すこと
  • 人々を参加型のしくみに巻き込むこと
  • メディアを活用して何度も政府や世論へ働きかけること

ノンプログラマーの社会実装でも、実際に活用できる珠玉の手法が多数紹介されていました。

まとめ

さて、社会実装とは何か、そしてITで活躍するノンプログラマーの社会実装を考えるについてお伝えしました。

これらをもとに、具体的なアクションに落とし込んでいくわけですが、少し長くなったので以下の記事につづきます!

「一般社団法人ノンプログラマー協会」の設立のお知らせ
このたび「一般社団法人ノンプログラマー協会」を設立することにいたしました。今回は、書籍「未来を実装する」を教科書として、ロジックモデルを活用し、どのようにそのアイデアに行き着いたのか、一般社団法人の設立にいたった経緯についてお伝えします。

連載目次:一般社団法人ノンプログラマー協会設立について

このたび、「一般社団法人ノンプログラマー協会」を設立することにいたしました。このシリーズでは、その経緯や概要、準備のようすなどについてレポートをしてまいります。
  1. ノンプログラマーが起業して6年経ち、その成果とモヤモヤをお伝えします
  2. 社会実装とは何か、そしてITで活躍するノンプログラマーの社会実装を考える
  3. 「一般社団法人ノンプログラマー協会」の設立のお知らせ
  4. 「一般社団法人ノンプログラマー協会」とは何か、またその活動について

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