Python書籍著者が語るノンプログラマーとPythonとこれから


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photo credit: Ted’s photos – For Me For You 2020 – Buenos Aires – El Ateneo Grand Splendid – 6 of 6 via photopin (license)

みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。

「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」は、ノンプログラマーがプログラミングをはじめとするITスキルを学び合うコミュニティです。

先日の定例会のテーマは「Python書籍著者が語るノンプログラマーとPythonとこれから」

人気の言語Pythonですが、ノンプログラマー向け言語としてもますますブームがやってくる気配…

ということで、先日Pythonでかなえる Excel作業効率化が発売されたばかりの、株式会社スタディスト北野さん(@katsuhisa__)をゲストにお迎えしてお送りしました。

ちなみに当日の様子は以下、Togetterのツイートまとめもご覧くださいませ。

ノンプロ研定例会Vol.34「Python書籍著者が語るノンプログラマーとPythonとこれから」
データサイエンス、機械学習、Webなど幅広く使用され、圧倒的な人気をほこるプログラミング言語Python。近年、ノンプログラマー向けの書籍や学習機会も増えてきているようです。・本当に簡単?・どうす..

では、行ってみましょう!

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Pythonを仕事で活かす

北野さんは、この隣ITで以前「PythonでExcelを操作するモジュールOpenPyXL」のシリーズを執筆してくださってました。

実は、書籍「Pythonでかなえる Excel作業効率化」の執筆はそのご縁から始まっている…ということもあり、たいへんありがたいことです。

その北野さんからは「Pythonを仕事で活かす」というタイトルで、現役プログラマーの観点から、以下の3本立てでお話いただきました。

  • Pythonは学ぶ価値があるか
  • 本職のプログラマーが、どのように仕事にPythonを使っているのか
  • 今後どうやってPythonを学習していくか

Pythonは学ぶ価値があるか

Pythonは学ぶ価値があるか

当然、Pythonは人気の言語で、シンプルに書ける&読める、ライブラリが豊富という観点から、総論では価値があるといえそうです。

しかし、個々にとって学習時間を投資する価値があるかというとそれは別の話。

特にノンプログラマーは、プログラミングスキル自体で評価されるというわけではないので、仕事に直接的に貢献するか、評価に結びつく環境か、というのもポイントになりそうです。

本職のプログラマーが、どのように仕事にPythonを使っているのか

本職のプログラマーは、主な例として「Webアプリケーション開発」や「データエンジニアリング」に使っているとのこと。

北野さんの場合は、SRE(Site Reliability Engineering)というお仕事をされているので、自動化ツール、データ分析、サーバー操作、ログ分析&可視化などに使われているとのこと。

けっこう、いろいろな方面で活用されているんですね~

SREとは何か、については以下の記事もご覧ください。

SREって何? これまでのシステム運用やDevOpsとは何が違うの?
近年、何かと話題に上がるSRE(Site Reliability Engineering)。しかし、「自分たちのチーム・組織に関係する話なのかよく分からない」「具体的に何をやればいいの?」といった感想を持つ方は多いのではないでしょうか。本連...

今後どうやってPythonを学習していくか

プログラマー視点で、「Pythonでかなえる Excel作業効率化」を終えた後を前提に、以下のような方向性を提示いただきました。

  • Webアプリケーションを作る
    1. Webシステムの基礎知識を学び
    2. FlaskもしくはDjangoの書籍を学ぶ
  • スクレイピングをもっとやる
    1. Webスクレイピングの専門書籍を学ぶ
  • データ分析をもっとうまくやる
    1. データ分析の中でもどこをやりたいかを明確にする
    2. データ整備→AWSやGCPなどのパブリッククラウドサービスを学ぶ
    3. データビジュアライズ→Pythonによるデータ分析の専門書を学ぶ
    4. データ分析の方法論や数学的解釈→データ分析の一般的な専門書
  • プログラムの運用を良い感じにしたい

ノンプログラマーだと、このようなルートを知る機会はあまりないので、とてもありがたかったです。

ノンプロ研でこのルートを目指す皆さんが出てきたら…ワクワクしますね!

書籍出版から見るノンプログラマーとPythonの未来予想

続いて、私タカハシからは「書籍出版から見るノンプログラマーとPythonの未来予想」というタイトルで話をさせていただきました。

ノンプログラマー向けPython本ブーム到来

さて、人気の言語Pythonですが、近年「ノンプログラマー向けPython書籍」がブームになりつつあります。

2017年に発売された名著「退屈なことはPythonにやらせよう」を皮切りに、2018年以降徐々に増え始めました。

そして、2020年の夏以降は、「PythonでExcelを動かす」という切り口の書籍が、毎月1,2冊というペースで各出版社から発売されるという熱狂っぷりです。

書店でもPython本の露出面積が増え、ノンプログラマーの目に止まりやすくなる、そのこと自体はウェルカムな話です。

ノンプロ向け書籍の気になるキャッチコピー

しかし…!

そんないくつかの書籍の中、同じくプログラミングを教える立場の私としては、気になるワードが見受けられました。

  • コードをコピペするだけで仕事に使えます!!
  • ざっと一読するだけでプログラミングの基本が学べます。
  • Excel操作ならVBAよりもPythonのほうがおすすめ

私は、これらのキャッチコピーを鵜呑みにするのはリスクがあると考えています。

というのも、プログラミングの学習は、そんなに簡単ではなく、一般的には200~300時間以上の学習が必要です。

Pythonは、VBAやGASよりも環境構築やどのライブラリを使用するかという点で選択肢が多く、それだけ知識やスキルが求められます。

ましてや「コピペ」こそ、コンピュータがすべき処理…人はその行動からは何の知識もスキルも得られません。

Pythonで働くの価値を上げるために

ノンプロ向けの書籍だと、どうしても「簡単」「頑張らなくていい」という方向性のものが、たくさん出版されてしまうという傾向があります。

しかし、それでは真のスキルを身に着けられない、きちんと評価されない、初期イメージとのギャップで挫折してしまう、そのようなリスクがあります。

そうならないように、私のような立場の人間が精力的にブログやSNS、書籍執筆、コミュニティ運営をはじめ、情報発信やサポートをしていかないといけませんね。

まとめ

以上、定例会「Python書籍著者が語るノンプログラマーとPythonとこれから」のレポートをお送りしました。

これからノンプロ向けPythonは、いろいろな意味でワクワクドキドキの領域ですね。

ぜひ、これから学ぶ皆さんには、正しい学び方を選択して、その価値を最大化する身につけ方をしてほしいものです。

最後に、北野さんの書籍紹介の記事と書籍を紹介します。

きっちり正しく学べる良書なので、ぜひお手にとってみてください。

『Pythonでかなえる Excel作業効率化』が出版されます!
「いつも隣にITのお仕事」のOpenPyXLの連載をきっかけとした、書籍が生まれました。『Pythonでかなえる Excel作業効率化』では、Excelに限らず、「オフィス業務でよくある自動化・効率化したい欲求をプログラミングでどう解決していくか?」について網羅的に紹介しています。

「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」について

コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」では、毎月の定例会や勉強会、Slackでのやり取りを通して、皆さんのプログラミング学習の質やモチベーションを高めるための活動をしています。 過去の活動については、以下のページをご覧ください。
  1. コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2017-2018)
  2. コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2019)
  3. コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2020)
  4. コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2021)
  5. コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2022)
ぜひ、皆様のご参加をお待ちしております!
コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」についてのお知らせ #ノンプロ研
ノンプログラマーがVBA・GAS・Pythonなどのプログラミングを学ぶコミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」が絶賛活動中です!本ページはコミュニティの情報発信をしていく特集ページです。

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