みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」は、ノンプログラマーがプログラミングをはじめとするITスキルを学び合うコミュニティです。
先日、月に一度の「定例会」が開催されました。
ご時勢的に、Zoomによるオンライン開催ということで、ノンプロ研初期にお話した内容を再度アップデートしてお送りしましたよ。
テーマは「2020版『VBA vs GAS vs Python』どの言語を、どう学ぶべき?!」です。
今回は、本定例会のレポートをお送りします。
ちなみに当日の様子は以下、Togetterのツイートまとめもご覧くださいませ。
では、行ってみましょう!
ノンプログラマーはどの言語を学ぶべきか
結論、ノンプログラマーが学ぶべきプログラミング言語は、こちらです!
「仕事で活用できる言語」
プログラミングを身につけるには、数百時間の学習時間が必要なので、平日の夜や休日だけで、それを達成するのはたいへんなのです。
しかし、仕事で使える言語であれば、平日の昼間にプログラミングに携わる時間を捻出できる可能性が出てきますし、「自我関与」も強いので学習効果も高まります。
また、学習の結果、何らかの成果物が効果を上げてくれるなら、いつものルーチンにかかってた時間を短縮して、新たな時間を生み出す…その時間をさらにプログラミングに投資するという、循環を作ることも狙えます。
VBAを学ぶべき場合
Excelを中心としたOfficeアプリケーションをメインで活用している職場ならば、VBAを選ぶと良いです。
データ処理や書類作成などのルーチンはVBAで自動化できる部分は多いです。
WordやPowerPoint、Outlookも操作できます。
ノンプログラマー向けの書籍やWebサイトも豊富にありますので、ノンプログラマー向けに必要な知識は比較的集めやすいです。
Google Apps Scriptを学ぶべき場合
G Suiteメインの職場なら、Google Apps Scriptが良いですね。
スプレッドシートはもちろん、GmailやGoogleカレンダー、フォーム、ドキュメントなどよく使うアプリケーションを操作可能です。
また、GASはクラウド環境にあるので、HTTP通信を使ってSlackやChatworkなど他のAPIを提供しているサービスとの連携が得意です。
Pythonを学ぶべき場合
Webスクレイピングや、csvのデータ処理が多いならPythonがいいかもしれません。
Pythonはライブラリが豊富なので、苦手領域が少ないです。
いずれもVBAでできないことはないですが、Pythonのライブラリを使ったほうがスマートにできることが多いですし、ブラウザとしてInternet Explorerを使い続けるのは、今後少し心配があります。
GASはブラウザを操作することができませんので、スクレイピングできることが限られますし、csvやデータ処理も特化して得意というわけではありません。
他にも、Pythonでやったほうがベターな領域があるかもしれません。
ただ、幅広くできるからといって、何でもかんでもPythonでやればいいというわけではありません。
ノンプログラマー向け言語の2年の変化とこれから
さて、今回のプレゼンですが、2年前にも同じテーマでお送りしました。
プレゼンの準備をする中で、2年経って変わったことと、そうでないことがあることに気が付きました。
各言語の変わったことと、そうでないことについて言語別に見ていきましょう。
VBAで変わったこと
VBA自体は、この2年ではほとんど変わっていません。
大きなアップデート等はここしばらくありません。
ただ一方で、Excel本体の機能については、新たに関数が追加されたり、Power Queryなどの機能が注目されるようになったりという変化があります。
WordやPowerPointも機能追加がかなりされていますね。
VBAで対応していたいくつかのことが、これらの機能で実現できるようになったということはあると思います。
また、Power Appsが浸透していくことで、VBAが担ってきた業務アプリケーション的な立ち位置は、譲っていくことになるのかもしれません。
とはいえ、Officeを中心として使う職場であれば、引き続き大きな武器であることは間違いありません。
Google Apps Scriptで変わったこと
それに対して、GASは、この2年で大きく変わりました。
GAS自体や、各サービスは細かにアップデートを繰り返されていますし、何より2020年2月には「V8ランタイムサポート」という、たいへん大きなアップデートもありました。
まだ少ないですが、求人情報にも「GAS」というワードが入るようになってきましたし、
書籍もいくつか出揃ってくる雰囲気もあります。
GASに関しては、この2年で、環境面も良くなってきていることを感じます。
IT企業を中心にクラウドを好む企業は、ビジネスサイドのプログラミング素養も評価する可能性が高まるはずですので、キャリア的にも展望はあると思います。
Pythonで変わったこと
Python自体はこの2年で色々なアップデートがあったわけですが、ノンプログラマーという視点でいうと、Pythonはようやくスタート地点という印象です。
Python自体の人気にも引っ張られるかたちで、ノンプログラマーを意識した書籍もいくつか出版されています。
ただ、一般的な企業であればPythonの存在を知らないマネージャーも多いですし、Pythonのインストール自体できない職場もあります。
実務できちんと活用できる事例を着実に重ねながら、将来的に大きく花開くことを比較的長い目で期待するというのが今持つべきスタンスと考えています。
まとめ
以上、「2020版『VBA vs GAS vs Python』どの言語を、どう学ぶべき?!」のレポートをお送りしました。
とにかく、実務で使えるということが第一です。
しかし、個人的には今回準備する中で、気づいた大きな反省点もありました。
この2年でノンプログラマーの市場価値をあまり上げられていないな、と。
もちろん簡単なことではないのですが、再度気を引き締め直して、頑張らねばと思います。
「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」について
コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」では、毎月の定例会や勉強会、Slackでのやり取りを通して、皆さんのプログラミング学習の質やモチベーションを高めるための活動をしています。 過去の活動については、以下のページをご覧ください。- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2017-2018)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2019)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2020)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2021)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2022)