学習コミュニティ運営に超有効なOODAループとコミュニティの「観察」のしかた

耳から聴きたい方はこちら!↓↓#916 学習コミュニティをつくろう! #11: OODAループが超有効な理由と「観察」のしかた - タカハシノリアキ @ntakahashi0505 https://voicy.jp/channel/2986/6259067 #Voicy #スキルアップラジオ

みなさん、こんにちは! タカハシ(@ntakahashi0505)です。

前回は、学習コミュニティの運営について、何を目指して運営するかということをお伝えしました。

しかし、そこを目指して運営しよう!といっても、依然何をどうやったらいいのか、つかみどころがないと感じるかもしれません。

そこで役に立つのがフレームワーク「OODAループ」。

今回はOODAループについて、そしてその最初のステップ「観察」のしかたについて紹介します。

ということで、今回は「学習コミュニティ運営に超有効なOODAループとコミュニティの「観察」のしかた」についてお伝えします。

では、行ってみましょう!

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学習コミュニティを熱量もって継続させるために

社内コミュニティや勉強会を立ち上げるのはそこまで難しくないのですが、継続して運営するとは意外と難しいものです。

その難しさの理由は、時間やモチベーションといったリソース、この制約を受けるからです。

  • 時間: コーディネーターやコアメンバーが日々の業務の合間を縫って活動する必要がある。
  • モチベーション: 活動のエネルギーとして必須。しかし、さまざまな影響を受けて上下し、コントロールは簡単ではない。

これらをやりくりしながら、活動をしていくわけですが、その目指すところとして、領域とKGIを設定しておくのが有効です。

  1. 領域: 学習コミュニティのテーマ、メンバー共通の目的や課題
  2. KGI(重要目標指標): コミュニティについて何かを検討、決定する際の判断指標となるもの

リソースである時間やモチベーションに気をつけながら、領域やKGIを方向づけとして活動をしていくことになります。

その上で、意思決定、行動をする「型」として有効なのが、「OODAループ」です。

OODAループとは?

OODAループは、アメリカ空軍のジョン・ボイド氏が提唱した意思決定フレームワークです。以下の4つのステップから成り立っています。

  1. Observe(観察):現状を観察する。
  2. Orient(情勢判断):観察をもとに流れを把握し方向づけをする。
  3. Decide(意思決定):情勢判断をもとに行動を決定する。
  4. Act(行動):決定した内容を実行する。

OODAループは戦闘を有利に進めるためのフレームワークとして生まれました。

戦場では、次々と移り変わる局面で、状況を正しく観察し、局面や流れを把握した上で、適切な判断を素早く下して行動に移し、また変わる状況を観察する…このような迅速で柔軟な活動が求められます。

VUCA時代と言われる今、ビジネスの世界でもOODAループは重宝されるようになってきました。

コミュニティ運営とOODAループの親和性

コミュニティと戦場ではだいぶ違うのでは?と思われるかもしれませんが、OODAループはコミュニティ運営にとてもマッチしています。

まず、コミュニティは人々の集まりです。メンバーは、それぞれの思いにより、日々自由に活動をしています。つまり、コミュニティは連続的に常に動き続けているといえます。

この動きは止められない中、より良い活動をしていくためには、動かしながらの中で迅速に判断し、柔軟に必要な手を打っていくことが求められます。

イメージとしては、街づくりゲームの「シムシティ」に似ています。市長として街全体を俯瞰し、ときには現場に趣き、人の流れやその営みを観察しています。その流れの中で、道路を整備したり、公園を設けたり、工場を誘致したり、必要なアクションを適宜実行していく感覚です。

そのような動いている中で、迅速かつ柔軟に意思決定をし、行動をする、その型としてOODAループがとても適しています。

観察(Observe)の重要性

OODAループの第一歩は「観察」です。コミュニティの状況をしっかり観察しなければ、適切な判断や行動はできません。

イベントの参加人数や、開催回数、アンケートなどの目に見える情報も重要ですが、観察すべきはそれだけではありません。

現場に入り込んで「肌で感じる」ことがとても重要と考えます。

というのも、コミュニティの活動の源泉は、興味や関心、意欲、楽しさといった内面的なものから生まれるモチベーションだからです。それらはデータとしてとることは難しい。

みんな、全体的にこういうことに興味がありそうだ、社内ではこういうニーズがありそうだというのは、次の企画のヒントになりますし、イベントに参加してみんな満足していそうだ、このところこのイベントにあの人がいないな、というのは実践の評価につながります。

また、自分自身の観察も怠ってはいけません。本当に自分は楽しんでやれているだろうか、無理はしていないだろうか。率直に感じ取ってあげてみてください。コーディネーターのリソースは最後の砦ですからね。

ノンプロ研での実例

「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」(ノンプロ研)では、たとえば以下のような観察をしています。

  1. Slackの投稿: 誰がどのチャンネルで、どんな投稿を、どれだけしているか。楽しさを感じているか。
  2. イベント: イベントの開催回数、実際に参加して、対話して、体感する。イベントの前後のアイスブレイクやリフレクションもとても有効。
  3. ヒアリング: Slackや、懇親会、Voicy対談などの機会にメンバーから直接話を聞く。
  4. アウトプット: X(旧Twitter)やブログでのメンバーによるアウトプット。これはとてもありがたいい…!

ノンプロ研はメンバー数も180名ほどいて、さらにイベントも毎日のように開催されているので、主宰ひとりでくまなく観察するのは不可能になりつつあります。

ですから、メンバーからのヒアリングや、メンバーによるアウトプットは情報源としてとてもありがたいです。

しかし、課題としては、オンラインをベースにしているので、参加しなくなってしまったメンバーがどんな状況にあるのか、ほとんど知ることができないという点があります。

まとめ

以上、「学習コミュニティ運営に超有効なOODAループとコミュニティの「観察」のしかた」についてお伝えしました。

学習コミュニティ運営において、OODAループ、そして観察はとても重要と考えます。ぜひご参考ください。

続きはまた後日お伝えしますので、お楽しみに。

引き続き、みなさんがいきいきと学び・働くためのヒントをお届けしていきます。

この話を耳から聴きたい方はこちらからどうぞ!

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