みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。
「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」は、ノンプログラマーがプログラミングをはじめとするITスキルを学び合うコミュニティです。
先日、定例会が行われたのですが、今回のテーマは「パーフェクトExcel VBAを出版して見えたこと」。
久しぶりに、私めが登壇させていただきまして、昨年11/25に発売された本書について語らせていただきました。
ということで、自作自演ですがレポートをさせていただきますね。
ちなみに当日の様子は以下、Togetterのツイートまとめもご覧くださいませ。
では、行ってみましょう!
パーフェクトExcel VBAがどれだけ大変だったかをアピール
今回、本書「パーフェクトExcel VBA」について企画→執筆→校正→販促の順番に、制作ストーリー&秘話を伝えさせていただきました。
企画
そもそも本書は、企画時点でものすごい苦労しました。
企画を作ってトライした回数は8回、企画通過までにかかった期間は8ヶ月かかりました。
「課題したいニーズ」は当初からわりと固まっていたのですが
- VBAはライバル書が非常に多い、かつ売れ筋もある程度見えている
- しかし一方で、本書については、類書がほとんどない
という状況で、どのような目次構成にして、コンセプトと差別化ポイントの訴え力を上げるか、みたいなところの磨き上げにものすごい時間がかかったという印象です。
つきあってくださった編集さんに感謝です。
執筆
ようやく通過した後の話は、以下の記事で書いてあるとおり、10ヶ月、558時間かけて、31.7万文字をひたすら執筆するという…
本書はもちろんそのボリュームも大変な理由だったのですが、以下のような状況がより一層それに輪をかけてました。
- 公式ドキュメントに書かれていないことがある
- オブジェクトブラウザで非表示または発見できないことがある
- ライブラリによってコンセプトが違う
- 昔からあるもので捨てきれずに仕方がなく残っている(とおぼしき)ものがある
- 省略しまくれるので何がどう省略されているのか探偵しなければいけない
- 複数のクラスに同じような機能を持つメンバーが存在することが多い
- 参考になる文献があまりない
書籍を書く場合、自分の経験や感覚はもちろん大事なのですが、それを証明するためにエビデンスの裏付けをとるのが最も重要な作業のひとつです。
書籍となると、やはり権威みたいなところがあって、みなさん信用して買ってくださるので、それに応えるべきですもんね。
ただ、今回、そのエビデンスがなかなか見つからなったり、つじつまが合わなかったり…汗
そうなると、実験をしたり、複数の現象や文献の解釈を組み合わせたりと、ものすごい時間のかかるステップを踏まなければいけなくなってしまいます。
ということで、とっても時間かかっちゃいました。
正直、同じような言語が別にあったとしても、やりきる自信はないっすw
校正・販促
あとは、校正・販促という工程に入ります。
大きな作業はないのですが、本書の場合、発売前のこの時期、ものすごく怖くなりました。
こんなふうに考えちゃったんです。
- もし売れなければ、VBAの体系をメインに据えた書籍が、より出版されづらくなるかも知れない
- もし売れなければ、編集さんの努力とパーフェクトシリーズにドロを塗ってしまう
- もし売れなければ、自分のこの2年の努力も浮かばれなくなる
- クリティカルな間違いやミスリードがあったら、読者に迷惑をかけてしまう
- あちこちに間違いがあって、ツイッターやAmazonレビューが炎上したらどうしよう
今回、過去2冊よりも断然この恐怖が大きくて、自分でもビックリしました。
そんな思いで発売11/25を迎えたわけです。
パーフェクトExcel VBAを出版して見えたこと
おかげさまで、本書は発売前から評判もよく、発売2週間で増刷がかかりました。
Amazonランキングは数千位くらいをキープしていて、執筆時点ではレビューも36件で4.3と非常に良い評価をいただいています。
正直、ホッとしております。
それで、執筆・出版を終えてみて見えたことはこちらです。
「アップデートがないのは、正直きつい」
これです。
書籍は日本語で数千冊あり、当ブログでもTop30記事のうち20記事がVBAです。VBAがニーズのある言語であることは間違いありません。
当然、ニーズがあるのであれば時代に合わせて、直すべきところはアップデートをしたいのです。PythonやGASのように。
それは、Microsoftさんもわかっているはず。
しかし、その仕様上、過去を捨てられない、変えることができないというジレンマ、これがVBAにはあります。
VBAはイケてない部分がいっぱいあって、おかげでムズいんです。
かといって、その事実を見せ続けないようにしておくと、実際にそれにぶち当たったユーザーたちは、立ち往生してしまうわけです。
ですから、先駆者たちはその向き合った結果、得られた知識を、後から来る人たちにちゃんと伝えるべきと思うのです。
それによって
- VBAとよりうまく付き合える人が増えて
- よりVBAとそのユーザーの評価が上がり
- それがキャリアにもプラスにつながり
- そしてそれを見て門を叩く人が増える
そんな良いスパイラルを作るべきと思うわけです。
本書が、その理想にどれだけ役に立つのかはわかりませんが、初動として少しや役に立てるかなというワクワク感は味わえています。
お付き合いいただいた、出版社さん、書店さん、ノンプロ研の皆さんに感謝です。
まとめ
以上、パーフェクトExcel VBAを出版して見えたことについてお伝えしました。
やっと、ひと仕事が終わった感じがあります。
ただ、GASやPythonの書籍が動いていますし、もちろんVBAの啓蒙も引き続きしていきたいと思います。
引き続き、みなさんの『働く』の価値を上げるべく、書籍という武器もうまく使っていきますね。
「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」について
コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」では、毎月の定例会や勉強会、Slackでのやり取りを通して、皆さんのプログラミング学習の質やモチベーションを高めるための活動をしています。 過去の活動については、以下のページをご覧ください。- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2017-2018)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2019)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2020)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2021)
- コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動レポートまとめ(2022)