技術同人誌とそのメリット&ノンプロ的な作り方の手順について

みなさん、こんにちは!
タカハシ(@ntakahashi0505)です。

このところ、技術書典をはじめ著者自らが書籍を制作する「技術同人誌」がブームになりつつあります。

それで、私自身も興味がありましたし、コミュニティ「ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会」の活動をより魅力的にできるのでは?と思い、企画検討を進めてきました。

ある程度、方向性や技術面のベースが固まってきましたので、本ブログにて連載形式でアウトプットしながら、プロジェクトの進行と技術面の情報共有を進められればと思っています。

ということで、今回は技術同人誌とそのメリット&ノンプロ的な作り方の手順についてお伝えします。

では、行ってみましょう!

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技術同人誌とそのメリットは

技術同人誌とは

書店で販売している書籍は、「商業出版」ともいいまして、基本的に著者の仕事は執筆のみです。

著者が執筆した原稿を、書籍としてデザインしたり、表紙を作ったり、印刷したり、流通に卸したりというとても大変でコストのかかるお仕事は出版社さんが担ってくださっています。

対して、技術同人誌は、それらすべての仕事を著者自らが担当して制作する技術書です。

なので、執筆だけでなく、印刷できる状態にレイアウトする(組版といいます)も必要ですし、表紙制作や印刷は業者さんにお願いすることが多いですが、そのコスト負担もします。

販売は、技術書典などのイベントを活用することもできますし、BOOTHなどオンラインでの委託販売をしてくれるサービスもありますが、基本は著者が責任もってやります。

技術同人誌をつくるメリット

多少のリスクはありますが、一方で技術同人誌にはたくさんの魅力がつまってます。

  • ある程度まとまった知識やノウハウをまとめられる
  • 自分をアピールできるツールとして活用できる
  • 期待しすぎはよくないけど、チャリンチャリンもあるかも…?
  • 何より自分の書籍ができるのはうれしいし、てか楽しそう

これらの魅力がブームのきっかけになっています。

なぜ技術同人誌は売れるのか

上記は作る側のメリットですが、ブームになるには「買う側」のメリットも必要です。

なぜ、技術同人誌が売れるのか?

商業出版は、前述の通りたくさんの関係者がいて、たくさんのコストがかかります。

ですから、一冊あたりにかかる製作期間も半年や一年以上というような長期にわたりますし、リスクが大きいので冒険ができません。つまり、新技術だったり、王道でないマニアックな技術に関する書籍は、なかなか企画が通りづらいため、結果として書店で見かけづらいということになりがちです。

一方で、Webでは最新の情報が手軽に手に入りますが、それらは細切れで「探す」「まとめる」という作業が必要になり、それなりに時間がかかります。

欲しい情報がまとまっているのであれば1000円くらい出しますよ!というのが、技術同人誌を買うきっかけとしては十分な理由になるわけです。

つまり、商業出版とWeb記事の間の「中くらいの情報のまとまり」をうまく提供・取得できる、それが技術同人誌という仕組みが拾えているということになります。

技術同人誌はどうやって作るのか

技術同人誌の制作手順は大まかに以下の5つと考えることができます。

  1. 企画
  2. 執筆
  3. 組版
  4. 印刷
  5. 販売

ひとつずつざっくりと解説します。

企画

企画は、どんな書籍を作るのかを考えるという段階です。

テーマや目次案、想定ターゲットなど、書籍の骨子を固めます。

また、技術同人誌ならではの項目として、販売金額や判型、想定ページ数、印刷部数なども決めておきます。

判型とページ数、印刷部数が決まると、だいたいの印刷費も予測できますので、逆算して販売部数の目標も設定することができます。

多くの場合は、以下の設定をしていることが多いようです。

  • 販売金額: 1000円
  • 判型: B5またはA5
  • ページ数: 50~100ページ
  • 印刷部数: 100~200部

執筆

執筆は、書籍を書くという段階です。

文章はもちろん、図表も作りますし、技術書であればソースコードも用意することも多いはずです。

また、見出しや引用といった装飾の指示も執筆の際に行っていきます。

書くためのツールはWord、Googleドキュメント、VS Codeなどのエディタを使ってMarkdownやLaTexを書くなど、多くの選択肢があります。

技術に明るい皆さんは、RE:Viewなどのツールもよく使われているようです。

本シリーズは、GitやGitHubで共同制作をすること、PDFで出力することを想定して、またノンプログラマー向けということで技術的にそれほどハードルが高くならないように、VS Codeを使ってMarkdownで書くことを前提に進めます。

なお、表紙も必要です。自作も可能ですが、多くは装丁デザイナーさんに外注することになると思います。

バージョン管理と共同制作

ひとりで進めるなら、Googleドキュメントの「版の管理」でもいいのです。

しかし、執筆者とは別に原稿をチェックしてレビューをする編集者がいる、または複数人の執筆者がいる、というように共同で制作するような場合は

  • バージョン管理を共同で行うこと
  • 修正依頼や修正といったレビューの作業がスムーズに行えること

ということが求められます。

そこで活躍するのが、GitとGitHubです。

これらを使うことで、複数人での共同制作がスムーズに行えるはず…!

また、これらは本来はプログラムのソースコードを共同制作する仕組みなので、まだこれらのツールに触れたことのないノンプログラマーにとっては良い体験の場にもなると考えています。

組版

組版は、印刷所にお渡しできる状態にレイアウトするという段階です。

技術同人誌の多くはPDF形式で印刷所に入稿します。

VS CodeにはPDF出力をするための拡張機能がありますので、それを利用します。

レイアウトや見栄えは、CSSを使うことでカスタマイズすることができますが、技術的にハードルが高めなので、デザインの自由度は妥協をします。

また、ノンブル(ページ数)を付与するために、一部のPDF加工ツールを使用します。

なお、本プロジェクトにおいては、組版から先の作業は弊社で担当をすれば良いかなと考えています。

印刷

印刷は、印刷所に依頼をします。

印刷所によって、部数が多くしたり、納期より一定期間以上前に入稿すると割安になるそうです。

また、会場に直接納品してくれるサービスや、ポスター・チラシなども合わせて制作するなどといったことも必要に応じて利用します。

販売

販売は、技術書典などのイベントに参加して販売と、BOOTHなどのサービスで委託販売が可能です。

またPDFなので、デジタル版の販売も可能です。

本ブログに集まったユーザーに紹介して、ノンプロ研の決済に活用しているSTORESで販売するなどといったことも可能ですね。

まとめ

以上、技術同人誌とそのメリット&ノンプロ的な作り方の手順についてお伝えしました。

次回からは、GitとGitHubによる共同制作の方法について順を追って紹介していきます。

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どうぞお楽しみに!

連載目次:ノンプロ向けGit・GitHubで技術同人誌を共同制作しよう!

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  1. 技術同人誌とそのメリット&ノンプロ的な作り方の手順について
  2. 【ノンプログラマー向け】Gitによるバージョン管理の超基礎知識
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  16. GitHubでプルリクエストを確認しコメントをしてマージをする
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